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たんぽぽは風に揺れて
【兄妹相姦 官能小説】

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たんぽぽは風に揺れて-1

(1)


「志麻子が帰ってくる」
夕食の時、親父がビールを煽ったあと、苦虫をかみつぶしたような顔で吐き捨てた。続いておふくろも溜息をついた。

「帰ってくるって?どういうこと?」
俺の問いかけに少し間を置いて、
「離婚したんだって……」
言いながら、おふくろは目を伏せたままだ。
 
「またかよ」
2度目である。最初の結婚は21の時。2年ほどで別れ、2年後に再婚。今度は1年で破局。その都度、臆面もなく戻ってくる。披露宴の費用は2回とも親が負担しているのである。前回別れた際、離婚の理由を訊いても、
「性格の不一致……」
ふてぶてしく煙草を吸いながら落ち込んだ様子など微塵も見られなかった。今年で26歳になる。

「一人暮らしすればいいじゃないか。子供もいないんだし」
「あたしだってそうしてもらいたいよ。みっともない」
「金がないんだろう」
親父は好き勝手をしてきた娘に愛想を尽かした顔を見せながらも一抹の同情を抱いているようだ。娘だから可愛いのだろうか。
「働いてないの?」
「仕事見つけるって言ってる。それまで居させてくれって。前の時より少しは気にしてるんじゃない?」

 仕事といったって、おそらくパート、バイト程度だろう。
 いままで正規に勤めたことは1度もない。給料は自分のためにしか使わず、家に食費を入れたことはない。親父もおふくろも甘かったのだ。1万でも2万でも出来る範囲で親に感謝を示すべきだ。俺は独身で同居して世話をかけてはいるが相応の生活費は渡している。だいぶ前に腹にすえかねて親父に言ったことがある。
「いずれ嫁にいくんだ。大目に見てやれ」
親父の顔は複雑に曇って見えた。

 俺は妹が嫌いだった。身勝手、軽薄、淫乱。そんなイメージしか浮かばない。
幼い頃は特に仲が悪いことはなかった。俺の感情がよじれ始めたのは妹が中3の夏頃である。
 そのころ俺は県内トップクラスの進学校の2年、国立大を目指して受験モードに入っていた。
階下で毎晩のように母親との口論がきこえるようになった。妹も受験生。ところがまともに勉強しているのを見たことがなかった。成績は救いようのない劣等生。いまさら何をしても無駄なことだった。それは本人はもちろん、両親もわかっていた。だから、進学先は、
「M女しかない」
親も諦めてときおり溜息を洩らしていた。
 M女子高は地域では最も低レベルの私立高である。妹もそのつもりでいたようで、
「勉強しなくたって入れるから勉強する必要はないの」
開き直って親に楯突く始末だった。

 結局、M女に行くことになったのだが、俺がショックだったのは妹に彼氏がいたことだった。
 部活もしていない、塾にも行っていないのに帰りが遅いのを問い詰められて彼氏と遊んでいることを白状したのである。白状、というのは正しくなかった。
「付き合ってる人がいるの。背が高くてかっこいいの」
平然と答えたものだ。相手は俺と同い年の高校生。駅で声をかけられたという。

 俺は勉強一筋、彼女なんかつくる切っ掛けもなかった。跳ね上がる股間は好きなアイドルの写真を見ながら妄想のセックスで処理をしていた。

(どう見ても美人とはいえないあいつになんで彼氏が……)
それに頭も悪い。なにやらもやもやとした不快感が憎悪をともなって湧きあがってきた。
(どうせ相手の男も同レベルのばかにちがいない)
そう思いながらもやり切れない嫉妬が顔を出してくる。
(もうキスをしたのだろうか……。まさか、セックスは……)
内心、志麻子を見下しながら意識し始めたのはこの時からだ。悲しいかな、性的関心をもって妹を見るようになってしまったのである。

 その意識が妹を蔑み、ことさら存在を無視するような態度で臨むことになった。何か訊かれても冷たくあしらって目を合わさなかった。
 しかし、態度とは裏腹に隙あらばその体を盗み見ていた。いつの間にか膨らんだ胸。柔肉に被われてきた腰回り、太もも。……風呂上りなどパンツ1枚でバスタオルを胸に巻いて平気で自分の部屋まで歩いていったりする。後ろ姿にパンツが覗いている。そうなるともう扱かないではいられなかった。
(体だけは一人前だ……)
打ち消してもその肉体が頭から離れない。手の動きも止まらない。あっという間に欲望を吐き出す。
 そのあとの虚しさといったらなかった。グラビアアイドルやアダルトを観てオナニーをしたならさほどでもなかっただろう。妹を思い浮かべたことの罪悪感、自己嫌悪にさいなまれて気持ちが重くなるのだった。
(もう、やめよう……)
肉感的なAV女優はいくらでもいる。……
 だが、数日経つとまた同じ結果となった。身近な生々しさには勝てなかった。
日に日に高まる性的昂奮は俺の体が成長している証でもあったが、それとともに志麻子が俺の中で益々大きくなっていった。


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