湖を見下ろす公園のベンチ-2
一瞬ののち、私はお尻を少し浮かせ、スルリとパンティを捲り、膝から足首を経由して抜き取った。
「あはぁ…。」
思わずため息のような声が漏れた。
欲情に煽られて野外の公園でパンティを剥ぎ取り、もっとも見られたくないはずのその部分を外気に晒してしまった自分。その事実が、さらなる欲情を掻き立てたのだ。
腰を突き出して両足を大きく広げた。左手の人差し指と中指で茂みを掻き分け、湖に見せつけるように谷間を開いた。ジュルジュルに粘り付く液体が左右に糸を引いた。
私はその液体を右手の中指で掬い取ると、シャツの中に手を入れブラの隙間に侵入させて、乳首にそれを塗り付けた。
「うう、うぅ…。」
カリカリ引っ掻くのとはまた違ったヌルヌルの快感が、胸の奥の奥にまでジーンと染みていった。
閉じそうになる瞼の向こうで、湖面を水鳥が二羽、優雅に滑っているのが見えた。チャポン、と魚の跳ねるような音が聞こえた気がした。
谷間を広げていた左手を放し、中指を敏感な蕾に乗せた。
「く…。」
既に腫れぼったく熱を帯びていたそこは触れただけで強く反応し、思わず腰がビクンと跳ねた。
私は右へ左へと中指を往復させ、刺激を求めてプックリ膨らんでしまっている淫らな先端を何度も擦った。
「う、うぐ、ぐうぅ…。」
じっとしていられないほどの猛烈な快感をジンジン響かせて、そこはさらに大きく膨らんだ。
「…まだよ。こんなもんじゃ許してあげないから。」
私は擦り付ける中指の動きをどんどん大きく早くしていった。それはやがて高速の往復ビンタを喰らわせるかのような乱暴な動きとなり、左右に弾き飛ばされ痛めつけられて正気を失ってしまったそこが倒錯の悲鳴をあげた。
「うぅぅうう、くはぁ…あうぅうぅ!」
知らず知らず、私は腰を浮かせ突き出していた。自分で自分のこんな所を虐めている様子を湖に見せつけてやるかのように。
「はあ、はあ、はあ…。」
いったん手を止めた。
私のそこはジーンと痺れ、失神寸前のようにグッタリしている。
「…まだよ。まだまだ。」
私は敏感な蕾を右手の親指と人差し指で摘まみ、捻じり潰すほどにギュゥっと力を込めて、千切れんばかりに激しく振り回した。
「ぐふぅうぅ…。」
怒涛のごとき快感が下腹部の奥深くにゴォンゴォンとブチ込まれ、私の腰は激しく跳ねまわった。そんな自分の反応が指先にさらに力を込めさせることとなり…私はどこまでもどこまでも快楽の階段を駆け上がっていった。
「うぅ、うあぁあはぁ…はぅっうああぁあっ!」
ついに堪えきれずに大きな声を出してしまった。
カサッ、カサッ…。
散策路の落ち葉の上を歩いて近づいてくる足音が聞こえた。
聞かれたか?いや、まだ少し離れている。
ザッザッザッザッザッ…。
走り出した。
「なんなのよ…。」
ザザー。
すぐ後ろで急停止した。
私は振り向いた。
どこかの有名私立女子高校の制服とおぼしきものを着た女の子が、息を切らし、心配そうにこっちを見ている。
「大丈夫ですか?はあ、はあ…。」
「え?」
「なんか、悲鳴のようなものが聞こえたから…はあ…。」
「あ?あー、こ、この景色に感動してしまって思わず声が…。」
「そうでしたか。綺麗ですものね、この公園。」
「ええ、そうですね。」
彼女はセミロングの黒髪をツインテールにまとめ、小さなアクセサリーのついたゴムでくくっている。あどけない笑顔が可愛らしい。
「私もそっちでご一緒してもいいですか?」
今、私の下半身はベンチの背もたれでかろうじて彼女の視線から隠されているにすぎない。
「もちろん、いいですよ。」
何を言ってるんだ、私は。こっちに来られたら…。
「おじゃましまーす!」
彼女は散策路から湖へと降りていく緩やかな坂を、カサカサと足音をたてながら下り始めた。
私は少し横に移動して彼女の座る場所を作り…蕾を痛めつけていた手を下に移動させて二本の指を自分にズブズブと埋めた。
「さあどうぞ、ここに。」
「ありがとうございます!」
彼女が背後から近づいてくる。でも、熱く粘り付く自分の中を往復運動している私の指は止まらない。止められない。いいえ、止める気は無い。体の奥深くにドロドロと渦巻く疼きがそんなことは許さないから。私はそういう女になってしまったのだ。もう戻れない。戻らない。
あと数歩で彼女が真横に来る。そうすれば全てを目の当たりにするだろう。
私の鼻息は抑えきれない程に早く激しくなり、欲情がグツグツと下半身に煮えたぎった。
ああ、見られる…。下半身を剥き出しにして、自分に指を入れて快感を貪り、今まさに絶頂を迎えて身を震わせようとしている姿を…。
♪チロリー、ロリロチロリー…
少女は立ち止まり、スマホを制服のスカートのポケットから取り出して画面を見た。
「すみません、呼ばれちゃいました。えへ。」
「そう?残念です。」
「私も残念です。また縁があったらどこかでご一緒したいです。それでは!」
坂道を駆け上がり、散策路へと戻っていった。
「あ、そうだ。」
急に振り返った。
「脱いじゃったんですね。」
…
「素肌が綺麗でうらやましいです。」
…
「落ち葉の上で素足って、気持ちいいんだろうなあ。横に置いてある靴もカッコイイし。」
ベンチは足元を隠してはいない。私の足は彼女から見えていたようだ。でも、さっき落ち葉の上に落としたパンティはハイカット・シューズの陰になっていた。
「そうなの、すごく…気持ちいいんですよ、脱いじゃうのって。」
少女はにっこり笑って手を振りながらトコトコと駆けていった。
私も手を振り返した。それは小刻みに震えていた。なぜなら、その時まさに絶頂の瞬間だったから。
「縁があったら、か。あったらいいな。」