宴 〜形〜-3
そして、その夜。
「んッ……は、あああっ……ひゃふうっ!」
器用に動く真矢の舌が淫核の皮を剥き、ちゅるちゅると舐め回す。
濡れそぼった秘部に埋められた二つのバイブが、一瞬振動を止めた。
−胤真の部屋の、地下室。
二人の性奴隷を絡ませ、二人の主人は楽しげにそれを鑑賞していた。
「あ、あ……真矢ちゃん、もう……!」
寝台の上に拘束された智佳が、切羽詰まった声を出す。
「か、胤真、様ぁ……」
智佳はあらゆる方向に耳を向けて主人を探すが、少し離れた場所で椅子に腰掛けている胤真の存在に気付くはずもない。
何故なら智佳の視覚は、胤真の手によって奪われているのだから。
「目隠しされると何が何だか分からなくて、刺激的だろう?」
智佳の状況を面白がる響きを含む胤真の声がどこから聞こえてくるのか、智佳には見当もつかない。
だから、二人が足音を忍ばせて傍に来た事も気付かなかった。
胤真は懐からそれを取り出し、智佳の腋の下をさっと撫でる。
「ひぎゃあっ!?」
真矢の舌と胤真の責めとで、智佳は背筋をのけ反らせた。
「ああっ、あああっ、やだ、これ何いっ!?」
胤真は目で真矢に愛撫を促し、自身はそれを腋の下から脇腹へと滑らせていく。
−胤真の持つそれは、鳥の羽だった。
「あああああっ」
性感帯を羽でくすぐられ、真矢から舌奉仕を受け、智佳は頭を左右に振り乱す。
「いやいやいやあっ!胤真!胤真様どこおっ!?」
泣き叫ぶ智佳に胤真は顔を近付け、口を開いて舌を出した。
ぱたっ……
智佳の唇の上に、舌を伝って胤真の唾液が落ちる。
「あっ……?」
その味に、智佳の泣き声が止まった。
普段であれば唾液の味の判別など、できなかっただろう。
だが今は視覚を奪われ、他の四感−嗅覚・聴覚・味覚・触覚がいつもより鋭敏になっているのだ。
何度も交わした口付けと似たような味を、智佳は判別できた。
「かっ……胤真、様」
胤真はもう一度、唾液を垂らす。
もう一度落ちて来た液体を、智佳はぺちゃぺちゃと音をたてて味わった。
「胤真、様ぁ……」
胤真が今、自分を覗き込んでいる。
その確信が、智佳を泣き止ませた。
胤真は智佳の頬を撫で、深く口付ける。
「んっ……」
胤真は智佳の舌を絡め取って弄びながら、羽で体をくすぐった。
「んっあ……ふ、はああっ……」
智佳はぎゅっと眉を寄せ、胤真の口にむしゃぶりつく。
「……真矢」
今まで沈黙していた芳樹は真矢の背後に回り、座り込むような格好をしている真矢の腰を上げさせた。
真矢は智佳の秘裂に舌を這わせ続けながら、芳樹の逸物を受け入れるべく自らの指でまだ発達しきっていない花びらを広げる。
ずぬうっ!
真矢の蜜壺へ、芳樹は入り込んだ。
「んぶむむうぅっ!」
股間の方で上がるくぐもった声で、智佳は真矢の状態を悟る。
「えあおうぶうっ!おぶ、むふううえっ!」
だが真矢は『智佳への奉仕をやめろ』とは一言も言われていないので、くぐもった声を上げつつも秘部を舐め続けている。
その苦しみを助長するように、芳樹は真矢の胎内を深く抉り出した。
「かっ、胤真、様……もっと……」
少し出し入れし、舌先を舐めたりちょっとだけ絡めたりといった胤真の舌使いに智佳は焦らされ、自らそう哀願する。
「あひゃはうああっ!?」
その途端に羽が脇腹を往復したため、智佳は素っ頓狂な声を出した。
「あっ……ま、真矢ちゃん!?やめっ……やめてえええっ!!」
性感帯の脇腹をしつこくくすぐる羽の威力もさることながら、真矢がバイブを歯で噛んで引っ張り始めた事に狼狽する。
「ひはあああいあっ!?」
智佳はのけ反った。
真矢は噛んだバイブを膣の半分ほどまで引っ張り出し、唇で押し戻す。
それを繰り返しながら、指先で剥き出しの突起を愛撫するのだ。