朝食-5
頬杖をついて、
しばらくちづるの後ろ姿を
ぼんやりと眺めていた。
しばらくするとお皿洗いが終わる。
濡れた手を拭いて
ふとタクミを見ると、
自分を見ている。
「 ?
ぁ、コーヒーもう一杯飲む?」
「、、。んーんーーー、、 」
「 ? 」
タクミが、
考え事をしているような顔で
自分を見ている。
その綺麗な顔に
ほんの少しドキッとする。
それを誤魔化すように
テレビを観ようとすると
タクミが呟く。
「、、、 ねーー。」
「 んっ? 」
「、、、本当に鳥、撮ってたと思う?」
「 、 ぇ? 」
「 さっき。」
「 ? 」
さっき ?
鳥って?
あっちの 部屋で?
「ふふっ ちづちゃん
何気に
すっごい信用してくれてるよね〜。
俺の事。 」
「 ? 、 、、、 」
ぇ?
信用 って ?
鳥 を 、 、、 ?
?
、 、 、、、、!!
「 え!? 」
もしかして
私を! !?
「 ふふっ 」
「 〜っ! ぇ、、、
待って 私を?
撮ってた、、、? 」
「 は?
俺、そんな事言ったっけ〜?」
「、 、 、っ、 、
どっち? 」
「、、、。 ちづちゃんは?
どっちだと思うの? 」
「 ! 、 、、、。 」
ぇ? あれ?
なんか不機嫌に させちゃった?
「、、、、、、。 」
ちづるは立ったまま、
タクミは座ったまま
2人は静かにみつめあう。
しばらく見つめあった後、
ちづるは目をキョロキョロと動かす。
朝の事を
必死に思い出している様子だ。
頬が、紅潮してくる。
タクミはその顔を眺める。
自分の言った言葉により、
必死になっている。
その童顔な顔は、
本当に可愛いと思った。
が、同時に、激しい感情が
タクミの中で生まれる。
その激しい感情を
自分で自覚する前に、
言葉として出た。
小さく、ふっと笑った後に
呟いた。
「 、 、なぁ〜んか
ムカつく。 」
「 、 ぇ? 」
「 、! 、 、、 ん?」
あれ、 俺 、、、
今 、
声
出てたかも
、 、、、でも
今のが 本音かな
鈍感で スキが多い
そんなんだから
ストーカーにも遭うんだよ
過去にいた
ちづちゃんのストーカー男は
今も 写真を
持ってるのだろうか
どこまで 何を
撮られたんだろう
「 ? 、、 ムカつく? 」
「 、 、、、 少しね。 」
「 ぇ? ? 〜っ 」
私に?
なんで?
タクミは
コーヒーを一口飲むと立ち上がり、
ソファーまでスタスタ歩き
ドサッと座った。