第4章 気になるあの子-7
「貴之君?麻里奈には内緒よ?」
「はい。」
ここは真実を話して下手に麻里奈に似衣奈の事を聞かぬよう予防線を張っておいた方が良いと判断した未央は、2人の関係を大まかに話した。
「早い話がね、麻里奈が高校3年の時、同じ彼氏に二股かけられたのよ、麻里奈と神崎さんが。」
「えっ!?同じ高校だったんですか!?」
「うん。麻里奈と私と神崎さんは同じ高校。私らが3年で、神崎さんが1年だったわ。」
(と言う事は…)
貴之は考えた。その時に二股をかけられたと言う事は、似衣奈は高校1年の時に処女を捨てた事になる。垢抜けた感があるが、地は清純系で優等生っぽい似衣奈にしては早過ぎる初体験だと、少しガッカリもした。
「順番的には初めに麻里奈とその彼氏が付き合ってて、彼氏が神崎さんと浮気したって事になるわね。ただね、神崎さんはそいつに彼女がいる事を知らなかったようなの。だから麻里奈と言う彼女がいた事にショックを受けたみたいだし、麻里奈は初め泥棒猫だと罵ってたけど、どっちを選ぶんだと彼氏に迫った所、自分を選んだから過剰に神崎さんに当たる事はしなくなった。でもね、神崎さんがその彼氏と別れて少ししたら、それまでホント地味な子だったんだけど、急に垢抜けてギャルっぽく変貌したのよ。ビックリしたわ?だってそれまでスカートは超長くて髪は三つ編みでメガネをかけてて私勉強以外何も興味ありません的な子だったのよ?それがいきなり膝上10センチのスカートで髪も少し染めて、もともと地が良かったんだろうね、私が見ても超可愛いイケてる子になったのよ。そしたらその彼氏がまた神崎さんに熱を上げちゃってね。麻里奈に内緒でアタックしたらしいのよ。そしたら麻里奈と別れて2度と浮気をしないならまた付き合ってもいいと言ったらしくてね。その彼氏は麻里奈を振って神崎さんの元へ行ったのよ。今度は浮気でもなんでもなく、ただ単に争いに負けただけだから麻里奈も傷ついてね。2人が付き合うのだろうと思っていた麻里奈は、そりゃあ荒れたわよ。それに自分が彼氏にすがるカッコ悪い女だと思われるのが嫌で強がってね。」
「じゃあ神崎さんはその彼氏と復縁したんですね?」
「それが違うのよ!麻里奈と別れて晴れて神崎さんにコクりに言ったら、神崎さん、振ったらしいのよ!初めから二股かけられた腹いせにそんな事したんだろうね。」
「…」
「だからって麻里奈も出戻りでまた復縁を望んできた彼氏に愛想を尽かしたのと、二股かけられた女にフラれた男と付き合うのはプライドが許さなかったんだろうね。彼氏を突っぱねたわ。それから麻里奈は荒れてねぇ。私はもともと色んな人と自由にエッチするのが好きだったから良くナンパされに行ってたんだけど、麻里奈も行きたいと言い出して、それからずっと2人でナンパされて遊んでるわ。今でも、ねっ♪」
「そ、そうなんですか…。」
「麻里奈も神崎さんと喧嘩になったりするのは周りから見たらカッコ悪い事だろうしみっともないからお互い顔を合わせないようにしてるけど、一触即発でからね〜。だから貴之くんも下手に神崎さんの名前を出さない方がいいよ?」
「ですね…。」
未央から2人の関係を聞き、麻里奈に似衣奈の事を聞かなくて良かったと胸を撫で下ろしたのであった。だが少しでも似衣奈の情報が入り知って行くと、もっと似衣奈のことを知りたい…、そう思ってしまう貴之であった。