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キャッチャー
【母子相姦 官能小説】

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キャッチャー-4


充代はかつて少年野球の練習から帰ってきた頃の行光を出迎えるように、息子の帰りを待った。
パートも休みになる日曜日の夕暮れ時、行光の好きなものを並べて、二人だけの夕食を迎えるために、風呂の湯も既に入れてあった。
あの子は父親譲りで強情だった。
何か、自分の力を証明する事が自分の至上命題のように思っていたのだろうか。
野球には阿吽の呼吸というものがある。
それはバッテリーの間だけでなく、たとえば投手と打者の間にも成り立つ。
まっすぐでこい、と打者が願い、当たり前だ、と投手が応える。
野球はそんな心のスポーツだと充代は思っていた。
他のスポーツに比べ、実際にプレーしていない時間が多すぎるのは心の交換が入り込むからだと。無口だった野球好きの充代に育てられた無口だった行光だったがその間にはあまりに多くの言葉がこの日本シリーズで行き交っていた。
もっとも充代と行光がこれから行うのは野球の試合ではない。
ただの野球好きな素っ気ない親子が育んできた心のキャッチボール。
本当の野球に演出など必要ない。
試合そのものが最上の演出となり、紡ぎだされた結末は誰にも分からない。
「一番大事なことは勇気を出して自分を試すことだ」
充代が幼い行光に言い続けてきたことだった。
失敗してもいい、エラーがあるから野球は楽しいんだ。

行光は不器用そうに充代のバスタオルを剥ぎ取る。
充代の熟れきった裸身が晒され息子相手だというのに体を強張らせるように恥じらいを感じている。
女の扱いに慣れていない様子の息子に、充代は溢れ出んばかりの母性であえてやらせてあげていた。
唇を重ねると行光の唇が微かに震えている事に気づいて、充代もまた久々の情事に、親子で交わろうとすることへの畏れに硬くしていた身体と心も和らいでいった。
おそるおそる行光から投げられる球を懐かしい感触を思い出すように充代が受け止める。
よちよち歩きの行光と29歳の行光が不思議と重なってくる。
二人は生まれたままの姿になり、互いの体の感触を確かめあう。
硬く逞しい行光、柔らかく暖かい充代。
そこには体型も年齢も何も関係はない。
流れる血が同じだというだけでこの身体が高鳴ってくる。
どんなに言いつくろってもこれから親子でしようとするべきじゃない。
それでも二人はどんどん突き進んでいく。
してはいけない場所でキャッチボールをしてしまう子供のように、ただキャッチボールをしたいから、と。
上手くなくていい、全力でやることだけだ。
ようやく行光の固い昂りが泥濘のような充代の中に埋め込まれる。
深く深く一定のリズムで、母の膣内にえぐるように叩き込まれる。
気取らない二人らしく真夜中のリビングで始まったそれはその音だけが響き渡っていた。
徐々に熱を帯び出したその音はリビング一帯に蒸気を帯び始め、甘い声さえ漏れ始めていた。
現役のプロ野球選手である行光がその鍛えられた体を叩きつけるように躍動すると、豊満に熟しきった充代の体が汗を滴らせて紅く火照っている。
トロフィーも飾っていないリビングの部屋には庭の常夜灯の光がかすかに入ってくるだけでほとんど暗闇に近い。
やがて行光は激しさを増して充代の中心に挑み続けていると阿吽の呼吸で限界が近い事を悟った母は息子の精を受け入れようと本能で子宮口を開いた。
そのぽっかりと開いた母の的めがけて行光は力強く大量に自らの分身を流し込んだ。
それからも充代が行光に離されなかった。それは延々と続くように互いのタフさを試すようにひたすら長く長く、幾度も幾度も母体を息子を求めあっていった。
やがて充代の膣内から溢れだした精液が白く泡立ち、リビングのマットを汚しても二人は離れようとしなかった。一際激しく動き出した行光自身から放たれて渾身の射精が充代の胎内の一番奥深くにぶつかると二人は初めてのお互いの絶頂と健闘を称え合うようにソファに倒れこんだ。行光は改めて自分が真に望んでいた女を手に入れた喜びをかみしめていた。
優勝より、あらゆるタイトルより、称讃より、歓声より欲しい人生の願いそのものが充代だった。
充代はようやく自分に届くストライクが投げられるようになった息子を少しの寂しさを感じながら、体内から溢れ流れ落ちる息子の精を惜しむように指ですくった。
これからの事なんて何も二人は考えていなかった。
こんな関係になって親子の未来が閉ざされたものになるかもしれないことも、いつからこんな事を望んでいたのかも、何も言わなかった。
こうなるまで充代が不安と恐怖のあまりここ数日体調を崩していた事も、シリーズで自身が結果を出せない事に行光がいらって胃潰瘍になっていたことも何も言わなかった。
様々な思いと過程の葛藤を全ては熱い真っ白なグラウンドが溶かしてしまうように、漆黒のリビングは二人の迷いも苦しみもひとときは全て吸いこんでしまっていた。



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