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キャッチャー
【母子相姦 官能小説】

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キャッチャー-3

充代はこのシリーズの間ずっとただ行光を見つめていた。
何か自分へのシグナルを送ってくるのではないか?
あるいは自分だけが気づく何らかのサインがあるのではないか?
それともこのシリーズの全試合招待はただの選手として成功したシーズンの締めくくりとしてのプレゼントなのだろうか?
その答えはシリーズ最終戦となった第四戦にあった。
結果的に一方的に敗れてしまう事になるこのシリーズで、充代は最終戦の最終打席の行光の姿を見た。
初球、絶対的守護神の160kmを超える真っすぐにフルスイングした行光は完全に振り遅れていた。
二球目、やはり160kmに達する真っすぐにフルスイングで挑んだ行光は空振りした。
三球目、初めて落ちる球を投げてきたが、食い下がるように行光は何とかバットに当てた。
四球目、再び速球できたが、打球は高く弾むように真後ろに飛んだ。
五球目、再度やってきた落ちる球に合わせて、ファールで逃げた。
充代は胸が高鳴ってくるのを感じた。
おそらくこの打席の結果に胸を高鳴らせているのは充代と行光だけだろう。
既に8点差がついたこの最終戦の9回2アウトのこの場面、誰もがこの後に繰り広げられる胴上げを心待ちにしているだけだ。
それでもこの打席のために限界まで集中力を高めている行光、それを見守る充代。
六球目、決して持ち球の多くない守護神は落ちる球を連投した。行光は待ってましたばかりに振りぬき‥、しかし思っていたより切れ味の鋭いフォークには何とかバットの下部にかすらせるのがやっとだった。
充代は大きく息を吐き出し、呼吸を整えて、自分が今この打席でどんな結果が出ることを望んでいるのか分からなくなってしまった。
本来なら彼女は息子の活躍を望んでいるべきだった。
しかし、誰もが試合結果から興味を無くしているこの局面でそれでも集中力を失わない行光を見て、充代はいつしか息子の活躍を望んでいいのか迷いが生じ始めている。
行光の望んでいる事は何となく分かってしまっていただけに、悩みは生じてしまったのだ。
行光はもう狙いを真っ直ぐに絞っていた。
守護神は行光を簡単に仕留めることが出来ず、手間取っている事実に明らかに苛立っている。
こんな時に来るのは必ず真っすぐだ。
とびっきり早い、真っすぐ‥。
行光は無意識下にアドレナリンを分泌させ、一瞬世界がゆっくりと揺らぐように錯覚したのを自覚した。こんな時に来たのか、と元来冷静な行光は初めて自分にやってきた(領域)に入るチャンスを受け止めていた。
ゆっくりゆっくりモーションを起こした投手の指先から放たれた球の回転まで全て、行光は見通した。
快音を残し引っ張った打球は弾道こそ低く、一瞬サードとショートがボールを追いかけようとした。
本塁打性の打球を外野手が追いかける事はあっても内野手が捕球しようと反応する事は異例だった。
行光の弾道は低く、低く、レフトのフェンスぎりぎりに飛んでいった。
ぎりぎりまで引きつけてそれでも引っ張れる驚異的な集中力の反応が生んだ余裕が、逆効果だったのか打球は際どく低かった。
その瞬間充代まで(領域)に入ったようにゆっくりと飛んでいく打球を見守っていた。
入れ!!!(入れ!!!)
その時二人の想いが一つになった瞬間、打球はいささかも失速せず低い弾道のままむしろ伸びるように飛んでレフトの最前列に飛び込んだ。
球場は異様な打球角度に一瞬静まり返った後、行光の今シーズン成し遂げたサクセスストーリーの締めくくりを祝福するように拍手を始めた。
それから数分後、球場が揺れるような歓声の中、胴上げが行われると観客はさきほどのホームランの弾道の奇妙さなど忘れてしまったかのように27回連続の日本一を祝福した。


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