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キャッチャー
【母子相姦 官能小説】

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キャッチャー-5

29歳にしてようやく本懐を遂げた行光には何の迷いもない。
自分を産み、育ててくれた母親が俺にはいる。
子どものころから夢見てきたプロ野球選手にはなったものの、今年になってチームを代わるまで大した活躍は出来てこなかった。
今年母さんは54歳になり、少しだけ老いが始まってきたと思う。
それを俺は愛しいと思う。
はっきりいって抱きたい、と心から願ってきた。
それはずっとずっと昔、小学校最後のリトルリーグの大会で負けた日、一緒に風呂に入ってくれたあの夜からだ。
俺は母さんと一緒に風呂に入るなんてベタベタしすぎで恥ずかしいと思い、その2年も前に止めていたんだ。
それなのに母さんはあの小学校最後だからと試合を見に来てくれて、あの夜俺を慰めてくれるために一緒に入ろうと言ってくれたんだ。
多分、きっと俺はこの先何年生きたとしても俺の苦しみを、悲しみを、俺を、分かってくれる母さん以上の女性はいないんだろうとその時思ったよ。
それから俺の野球をやる最大の理由は母さんになった。
高校を出てすぐプロになりたかったのも、母さんのためだった。
そしてアイツを追い越して、レギュラーになろうとガムシャラにやったのもだよ。
どうしようもない力の差があったけどさ。
今夜俺はプロになって日本シリーズで二本目のホームランを打ったよ。
もう二度と打てないようなすごい当たりだったんだ。知ってるだろ?
それもこれも全部全部、それも母さんのためだ。
それでも俺は今夜家に帰るのが怖かったよ。
今までのどんな試合より、どんなピッチャーと対戦するよりずっとずっと怖かったんだよ。
全力でやったらどんな結果に終わっても悔いはない。
そうはいうけど、やっぱり良く結果が出ないと辛いもんだよ。
母親をモノにしたいなんていう願いは、成就しないんだとしたらそりゃあ辛いもんだよ。
今までの頑張りも今年の活躍も何もかも吹っ飛んでしまうんだからさ。
やっとプロになって何年もプロでやってきて、そんなのってあんまりじゃないか。

昨夜の息子の言葉がおかしく感じてしまう。
無口な息子があれだけ饒舌だったのはやはり親子でこんな関係になってしまったことに言い訳が欲しかったのだろうか。
翌朝には充代はスッキリと7時には目を覚ましていた。
充代は一番聞いてみたかったことを寝る前に行光に聞いた。
「もしもあのホームランが入らなかったらどうなったと思う?」
「いや、入ったよ」
「どうしてそう言えるの?」
「ベストを尽くすことがベストの結果に繋がるんだろ。俺はあん時バットを振り切ったからね」
自信満々の行光の言葉。
でもそれはそうじゃなくって。
あれがスタンドまで届いたのは私もそれを願ってあげたからだよ、と言ってやりたかった。
野球は心のスポーツだってあんなに言って聞かせたのに。まったく‥。
それを思うと充代は可笑しくてつい微笑んでしまう。
まだまだ子供だな、とも思う。
もっともその理屈は行光には訳が分からないだろうから黙っておいた。
今朝はもう少し息子は寝かせておいてあげよう。
近代的トレーニングの常識からしたら完全に休むより少しずつでも身体を動かした方が良いのだろうか。
それでも今日は練習も休み、と充代は強制させるつもりだった。
息子とセックスをしてしまった自分の将来はどうなるのだろう。
母親とセックスをしてしまった行光の将来を思うとなお胸が押しつぶされそうになる。
人生は野球のようにとても気楽にはいかない。
野球は失敗しても良いが、人生はそうはいかない。
昨夜の自分たちがしたことの報いは黒いシミのように、やがて広がって私たちに取り返しのつかない事態になる可能性もある。
一本のホームランが試合を決めるように、自分たちのエラーは自分たちの人生も決めてしまったのだろうか。

充代は行光の子供を齢54歳にして宿した。
間違いなく、あの夜に受け入れた息子の精と結びついて生まれた生命だった。
そう確信出来るほどあの夜の情事は熱く、行光の精液に絡みとられるような錯覚を覚えるほど大量に精を受け止めた。
充代は短いメールでそれを行光に事実だけ伝えた。
行光は前年に続いてバリバリのレギュラーだった。
そしていかにも行光らしく、短いメールが返ってきた。



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