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キャッチャー
【母子相姦 官能小説】

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キャッチャー-6

季節は巡り8月。
大きな腹を抱えた充代はふぅふぅ言いながら、自宅のドアを開けた。
冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出して一口飲むと、テレビをつけた。
画面には灼熱の甲子園が映し出され、少年たちが懸命に闘っていた。
三塁手の選手が目の前に転がってきた打球をはじいてしまい、慌てて送球しようとして暴投してしまう。
充代は腹をさすりながら、腹の中の息子にも野球の魅力を伝えようと話しかける。
辛いでしょう。でも、ほら、野球はエラーがあるから楽しいんだよ、と。
今夜は行光がデーゲームだから早くに帰ってくる。
さすがに実母の懐妊を知ってはシーズンオフしか帰らないというわけにはいかない。
冷静な行光らしくもなく、彼は自身初めての子供を心配していた。
充代は二度目の妊娠だから、とまだ気丈に構えている。
そんな充代のようにはいかない息子の行光は心配がひどく増している。
行光は若いのに少し額が広がってしまったように見えた。
それが充代には可笑しくてたまらない。
人生には色々深い悩みがある。
この子を産んで、どう育てていくのか頭ではわかっても現実はどうなっていくのかわからない。
行光がスターになりつつあり、お金の心配がなくなった今だからこそ、親子で子を為し夫婦となることへの不安が湧いてくる。
そう、二人は親子で夫婦めおとになるのだ。
既に行光の住所に充代が移り住んでいる。
充代は妊娠が周囲に発覚する前にパートを退職し、息子のマンションへ引っ越した。
行光の移籍先である、北の大地札幌だった。
試合を終えて帰宅した行光とはさして言葉も交わさない。
ただ夜の営みは臨月を迎えたため、充代が大きな腹を刺激しないように口唇愛撫で行光を納める。
唾液を垂らされながら自らのペニスを愛しい母に唇で、舌で、愛撫されれば経験不足の行光はたちまち大量の精を吐き出してしまった。
引っ越してきた直後は毎晩のように行光に求められ、膨らみだした腹を震わせて充代も応えたものだった。
無口で、心から分かりあえた親子である二人だからこそ夜の営みは頻繁で、濃密で‥。
充代は行光に抱かれるようになって初めて泣いて喜ぶという言葉の本当の意味を知った。
プロ野球選手である行光ほどではないにしろ、少しは鍛えていた充代だったが、プロ野球選手として絶頂期に向かっている彼のパートナーを務めるのは少し骨が折れそうだと微笑ましく感じていた。
親子夫婦になったとしても行光はやはり息子で、充代は母親であり続けるしかない。
行光は純粋な男にはなれないし光代も純粋な女にはなりきれないだろう。
迷いもあって当然だし、悩みも、不安も尽きなくて当たり前だった。
だから充代の心には近親相姦の傷跡が残るし、行光も少し頭が寂しくはなる。
それでもなるようにしかならないものなのだ。
たとえ親子であっても夫婦を営んでいけるかなど判るはずもない。
つけっぱなしのテレビでは今日の甲子園の熱戦の模様が何度もリプレーされている。
あのエラーをした三塁手がそれから後で試合を決める決勝打を放っている映像だ。
息子のペニスを口唇愛撫しながら、横目でテレビを見ていた充代はそれもまた、野球で、人生なんだと思った。



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