全裸で処刑される美女-8
「まぁ三島も今や相当な実力者なのは間違いない。自信持っていいレベルなのは確かだから堂々としてればいい。ただしお前の場合は奢りが心配だな!」
「へへ、ついつい調子に乗っちゃうんですよね〜。気をつけます。」
石山は若菜とマギーを指導したが、実は1番筋がいいと思っているのは華英であった。武術に関しては飲み込むスピードが早いのだ。密かに若菜を超える逸材だと確信を持っているが、調子に乗られては困るので口にはしない。
「失礼します。」
着替えたマギーが入って来た。一礼すると石山に促され華英の横に座る。
「今朝はお疲れ様だったな。」
「いえ。」
「張り付けられていたのはやはり城南市長の佐川明子だったそうだ。」
「やはりそうですよね。問題はたまたま彼女だったのか、彼女が
狙われたのかですね。」
「ああ、さすがだな。問題はそこだ。しかし城南市長の佐川明子だと知ってて狙われたと言う可能性が大きい。」
「何故ですか?」
石山はテーブルの上に黒色の封筒らしき物を置いた。
「犯行声明…?」
「ああ。今朝ポストに投函されていた。中には佐川明子に制裁を下すと言う表記がある。」
「何者ですか?」
「まぁ読んでくれ。」
「はい。」
マギーは封筒の中から声明を取り出し読み始めた。
「犯行声明。我々は腐り切った日本を変えるべく革命を起こす。不正がまかり通り、国家はそれを隠し国民を欺き続けている。我々はそれを許さない。真実は我の目にのみ映し出されるのだ。あなた達の歪みきった目では決して見えない真実を我々が見せしよう。今朝の城南市長佐川明子の制裁はご覧になっただろう。佐川明子はその制裁を受けるに値する悪事を働いていたのだ。我々の目にはその悪事はしっかりと映っている。しかしあなた方の目にはそれが映っているかな?いないだろう。あなた方の目が歪んでいる以上、正義は我々のもとにのみ宿る。まずは佐川明子の不正を暴くがいい。これが始まりだ。終わりではない。明日、また腐った者が不正による制裁を受ける姿が日本中に広まる事になる。我々の聖戦は永遠に…。REVOLUTOR」
マギーが読む声明文を聞き、華英の顔が一瞬にして険しくなる
「REVOLUTER…?」
「ん?どうかした…?」
マギーに聞かれて華英は表情を戻す。
「な、何でもないわ…。」
不審に思ったマギーであったが、気には止めなかった。
「このREVOLUTORと言うのが今回の事件を起こした犯行グループ名なのだろう。この集団が佐川明子の何らかの不正情報を入手し、その責任を取らせる形で今朝の事件を起こしたのだろうな。明日また犯行に及ぶと言っている。この件では上原にも相談したが、少々厄介な相手に成り得る可能性があるとの結論になった。もしかしたらサーガや田口徹クラスの事件に発展する可能性があるとの見解だ。もし対策本部を設置する事になったら対策本部長をマギーに任せようと思っている。」
「えっ!?わ、私ですか…!?」
「ああ。」
マギーは動揺が隠せなく、絶句してしまった。サーガ事件時に指揮を執った若菜の姿は見て来た。あれと同じ働きをしなきゃならないと思うと全く自信がなかったからだ。返事が口から出なかった。
「マギーがやらないなら私がやるぅ♪」
堂々と手を挙げてそう言った華英に驚いた顔で振り向くマギー。
「ば、馬鹿!あんたに出来る訳ないでしょ…!?」
すると華英はニコッと笑い言った。
「じゃあマギーがやるしかないじゃん♪」
「え…」
マギーは石山の顔を見た。
「やれるな?」
マギーは石山の視線から目を離す事が出来なかった。もう口から出す言葉は一つしかなかった。
「はい。」
と。
その後石山に何か色々言われたような気はするが、頭の中が真っ白で何も覚えてはいなかったマギーであった。