麗花 何処に何をされても私は屈しない-2
俺はヨダレが出そうなほど美味しそうなヒメのカラダの隅々にまで粘りつくような視線を這わせ、ゆっくりと近づいて行った。
「いいねえ、どこからいただこうか。そして、どんなふうにきみをオンナの悦びで乱れさせてあげようか。」
「どこからでも、どんなふうにでもご自由に。」
俺はいきなり右の乳首に噛みついた。
「ぐ…。」
ヒメの美しい顔が歪んだ。
「何処に何をしてもいいんだよねえ?」
「い、いいです。」
「了解。」
左の乳首を指でピンと弾いた。
「…。」
ヒメは何でもないという顔をしているが、この攻撃が意外と強い快感を与える事を俺は知っている。
彼女の顔色を伺いながら何度か乳首を弾いた後、触れているのかいないのか、のギリギリの強さで手のひらを先端に這わせた。じれったいほどゆっくりと。
「う…。」
ヒメが思わず声のようなものを漏らした。強く乱暴にされれば苦痛や不快感に耐えるだけよいが、ソフトに責められると肌は防御反射を発動しない。故に、その感触は深く高密度に皮膚へと浸透する。それが証拠に、ヒメはムズ痒いのを我慢するようにカラダを固くし、微かに震えている。間違いない。俺の攻撃は彼女の胸にジンとした痺れを染み込ませている。
「どうしたの?物足りないならもっと強くするけど。」
ヒメは俺に視線を合わせて言った。
「そうしたいならご自由にどうぞ。私からは何も求めませんから。」
平静を装ってはいるが、どうせならもっと乱暴にされた方が耐えやすいという計算が働いているようだ。
「そう?でもせっかくの綺麗な胸だから、このまま優しくしてあげるよ。」
ヒメの眼が少し泳いだ。ジックリ味わいなさい、穏やかな表情を浮かべながらきみのカラダを喰い荒らし、情欲をを植え付けていく快感の恐怖を。それは徐々にきみに蓄積し、やがて溢れ出す。その時きみは果たしてカラダの疼きに抗いきれるかな。
「素敵だね、これ。」
下から撫でるように乳房を持ち上げた。
「柔らかいのにダランと垂れ下がらない。素晴らしいハリだ。」
持ち上げたまま先端に顔を近づけ、甘噛みした。そして咥えたままでネットリ舐め回してやった。
「ん、く…。」
これには堪らず、ヒメが微かに身じろぎした。
「おや、姫野くん。逃げない避けないじゃなかったのかね?」
「よ、避けてません。じっと立っているのに疲れただけです。」
「そう?まだ始まったばかりだよ。頑張ってね。」
「はい…。」
感じちゃってるのは明らかなのに。可愛いねえ。
もう一度先端を口に含みなおし、両手で括れのラインをなぞって茂みの手前で止めた。そのまま手は動かさない。口を離して跪き、その部分をじっと見つめた。
しばらくするとヒメが太ももの合わせ目をモゾモゾさせだした。
「何ですか。見てるだけじゃあ私に勝てませんよ。」
「んー?何してもいいんだろ。見てるだけ、っていうのはそれには含まれないのかな。」
ヒメは少し口ごもってから答えた。
「含まれます。どうぞご自由に。」
触られそうで触られない。触られたくはないけど、見られているだけで何もされないのもそれはそれでその部分を強く意識してしまうはずだ。
タップリと時間をかけて焦らし、十分に感覚がそこに集中したところで手を放した。ヒメはこっちを見ている。さっきまではほとんど目を合さなかったのに。唇が一瞬開きかけた。何か言いたげに。
俺は両方の中指を立てた。それを茂みの両サイドから足の合わせ目に向かって這わせた。時が止まったかのようにのろのろと。足の付け根に指が近づくにつれ、ヒメがカラダを固くする気配がはっきりと伝わってきた。
両方の指が重なった所で、ヒメが小さな息を吐いた。彼女が本当はそこに何をして欲しいのかなど、俺にははっきり分かっている。そして、ヒメにとってはそんな自分の情欲に流されないように耐えるというのがこの戦いなのだ。
「ねえ、質問いいかな。」
「何ですか。」
「きみが自分のカラダの何処に何をして欲しいかを訊いてその通りにしてあげるというのは、私がしたいようにするというのに含まれるのかな。」
「何を言ってるんですか。私から望んでされたら、それは私の敗北じゃないですか。」
事も無げに一蹴したが、彼女の声は震えている。負けたくはない。だがしかし。
「なるほど。確かにそうだね。じゃあ、こういうのはどうだろう。」
もう少し揺さぶりをかけてやるとしよう。
「きみは私が指定した部分をどうされたいかだけを言う。そしてそれをされるとどうなると思うかだけを答えればいい。もちろん、私はその通りにはしない。質問し、その答えを聞く。それだけだ。約束する。どうかな?」
ヒメに一瞬の逡巡が見えたが、すぐに顔をあげた。
「それならば…。ただし、約束を破った時点で私の勝ちということでよろしいですね?」
「いいとも。きみもウソは言わないで訊かれたことには正直に答えると約束してくれ。」
ヒメは大きくうなずいた。