夕夏 スカートを穿いたまま-6
やがて放心状態で夕夏が目を開いた。
「やあ、お疲れ。」
「先生…。」
やがて自分がされたことを思い出したのか、体を隠すように縮こまり、ガタガタ震えながら泣き出した。
「逆らえないように追い込んで自分でパンティを脱がせ、後ろから弄りまわして感じてきたところで自分でさせ、最後は乱暴に突き壊してやった。覚えているね?」
夕夏は怯えたような目で俺を睨んだ。
「さて、そもそもきみが卒論の提出期限に間に合わなかったのはなぜだい?」
震えていた彼女が、やがて口を開いた。
「…私と同じく先生の教え子で一つ下の村下絵美里ちゃんから、どうしても相談したい事があるからって飲みに誘われたんです。私も知っているある男子に想いを募らせているのだけれど、彼は他に気になる人がいるみたいで全然相手にしてくれない、彼はもうすぐ卒業してしまう、どうしよう、っていう話でした。」
「ほう、いつも無邪気で明るい村下くんにもいろいろあるんだねえ。彼女をとても可愛がっているきみとしては放っておけないというわけだ。」
「ええ。次の日の朝十時が提出期限だったんですけど、悩んでいる絵美里ちゃんを放置して帰れなくて、結局深夜まで二人で飲みました。始発で帰っても十分間に合うと思って。でも気づいたら眠っていました。お酒には強い方なのに。とっくに日が昇っていて、あわてて自宅に卒論をとりに帰ったんですけど、戻ってくるのが間に合わなくて。それで…うう…。」
「こんなことになった、っと。」
コクンとうなずく夕夏。
「それは大変だったねぇ、なんてね。」
「は?」
「村下絵美里くんには好きな男子が居るって言ったね?でも彼が気になってる子は他に居て。それって誰だと思う?」
夕夏は首を振った。
「そこは教えてくれないんですよ、どうしても。ご存じなんですか?」
俺はニヤリと笑った。
「ご存じだよ。きみさ。」
「わ…私?」
「そ。村下くんが想いを寄せる男が好きなのは、よりによって親友の矢代夕夏だったのさ。ありがちだけど、当事者にはとてもじゃないけど笑えない状況だ。彼女、そのことで長い間悩んでたみたいでさ。言えなかったんだね、君には可愛がってもらってたから。でもね、卒業しちゃうんだから、最後にイッパツかましてやれば?って囁いたら乗ってきたんだよ。」
「え、じゃ、先生が絵美里ちゃんを使って私を罠にかけたんですか?」
「そうだよ。卒論の件は担任の私が後でなんとでもするから、ビビらせてやれ、とね。」
「酷い!」
「酷いよねえ。卒業出来なかったらどうしよう、と青ざめてたもんね。」
「あ、いや、それもですけど。あんな…事を、するなんて…。」
「おいおい、きみも随分悦びの声をあげていたじゃないか。」
「…。」
「僕はね、チョット囁いただけだよ。やったのは彼女。」
夕夏は何か考え込んでいる。
「で、提案があるんだが…。」
夕夏は最後まで聞かないで即答した。
「…何をすればいいですか。」