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イノセント・ラブドール
【SM 官能小説】

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イノセント・ラブドール-5

その夜、ぼくはふたたび夢を見た…。

夢の中に現れた女性がマイコさんなのか、ぼくのラブドールなのかはわからない。彼女の唇の
中に強く挿入したぼくのペニスの先端に粘着質の唾液が絡むと、彼女の舌先が亀頭の肉溝に
忍び込んでくる。

包皮の薄い皮がまるで水母のように彼女の舌に吸いつき、えぐれたえらが淫靡に蠢く。ぼくの
ものが痺れたように甘苦い恍惚感に覆われてくる。

ぼくの前に跪いた彼女の顔はとても素直で美しかった。彼女の唇に含ませたぼくのペニスが
しだいに堅さを増し先端が小刻みに揺れる。潤みを絡めた鈴口に粘り気のある液が溜まり、
彼女の舌先に熱く広がる。包皮にくっきりと浮き出した血管の脈動に彼女の唇のなめらかさ
を強く感じると、彼女は鼻先を陰毛の渦の中に擦りつけながらペニスの根元まで深く呑み込む。

彼女の頬がぼくの伸び切った垂袋を撫であげると、睾丸は微かな収縮を始め、彼女の唇の中の
ペニスの幹はさらに固く屹立していく。ぼくは腰を突き出し卑猥にくねらせる。やがて彼女は
ぼくの股間に顔を深く沈ませ、唇で肉幹を無我夢中で揉みしごき、尿口の微妙な起状を弄り、
ペニスへの愛撫を繰り返した。

夢の中の彼女が、実際のマイコさんであったのか、ラブドールであったのかは定かでなかった。
 

午前二時、ふと眠りからさめたぼくのそばにはいつものようにマイコさんの全裸のラブドール
が寄り添っている。窓の外ではまた雨が降り始めた。

彼女の柔らかな髪を撫で、美しい頬をなぞる。ぼくは彼女の手を握ってもう一度眠ろうとした。
いや、眠っているようで眠ってはいなかった。もちろん彼女は眠ることはなくぼくをじっと
見つめ続けている。

ぼくは彼女の顔を見ながらいろいろなことを想像し、感傷を深めた。彼女の存在、彼女の心、
彼女の肉体…。でも今夜は違っていた。なぜか彼女のことを思えば思うほど、ぼくの中には
不安と猜疑心が漂ってくる。ぼくの手の中にある彼女のすべてがぼくを拒んでいるような気が
した。マイコさんとラブドールは同一のものであるのに、彼女の輪郭は朧になり、遠ざかり、
意味を失おうとさえしていた。

ぼくはラブドールを引き寄せ口づけをした。貪るように無機質な唇の湿り気を吸いながら目を
閉じたとき、ぼくの心の中にあのとき見たマイコさんの唇が雨に曇り、誰かに奪われようとし
ていた。

  
マイコさんと雨宿りで出会ってから学校の廊下で何度か彼女とすれ違うことがあったけど言葉
を交わすことはなかった。でも彼女はぼくのものなのだ…そう思うことでぼくは心の中で密か
に安心を得ようとしていた。

いつものように彼女を見るためにぼくは放課後、テニスコートが見える樹木の陰に佇む。彼女
はぼくのものなのになぜか彼女から隠れるようにじっと彼女を見つめ続けた。風になびく黒い
艶やかな髪も、きゅっと結んだ薄い唇も、白いウェアに包まれた可憐な胸のふくらみも、そし
てスコートから伸びた瑞々しい脚も。

すべてが《ぼくによって作られたものであるはず》だった。黄昏の光に映えあがった彼女の
テニスウェアが光に溶け、冴え冴えと輝く眩しい裸身をあらわにした瞬間、彼女はぼくのラブ
ドールになるべだった…。


そんな至福に充たされたぼくの感傷が裏切られることになるとは思ってもいなかった…。



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