話し合い-1
タクミは、早く話したい様子で
少しソワソワしている。
ちづるは
そんなタクミに気がつかず、
コーヒーをテーブルに運ぶ。
ちづるが言う。
「お弁当、温めるね。」
「え? 、、いや、
先に、話したいんだけど。」
「 え? 」
?
話 ?
「、、、朝。
俺、言ってたでしょ?」
「、! ぁーー うんっ 」
そうだった
忘れてた
「、、、。 忘れてたの?」
「 ! ぁー、、 ん、、
ちょっと、、。
お店が、忙しかったから、、」
「、、はぁ。
とりあえず、、
座ってください。 」
「、、、、 はい。」
ちづるは、
少し気まずい様子で座ろうとする。
なんとなくタクミの隣に座れず
床のカーペットに
体育座りをする。
テーブルを挟み、
対面して座っているタクミは
ソファーに座り腕を組んでいる。
ちづるをじっと見つめ、黙っている。
「、 、 、 、、、。」
「、 、、 ? 、 」
なんの話だろう、と考えながら
ちづるは思わず視線を下ろす。
自分の靴下を見る。
靴下から、1本の糸が出て
ほつれていた。
その糸を引っ張りながら
ポツリと呟く。
「 ぁーー、、、
ほつれてる、、、。
寿命かなぁ〜 」
「、 、 、、、。」
「、 、、、?
ぁの、、それで、話って?」
「、、、。
なんだと思う? 」
「、、、んーーー、、、
なんだろう、、、。
分かんない、、
けど、、ちょっと 」
「ん?」
「、、不機嫌?」
「、、、、。
さ〜〜
どうでしょう 」
「、 、 、、、、。」
タクミは、
コーヒーに手を伸ばすと、
それを1口飲んで呟く。
「なーーんか、、
何気にーー、、」
「 んっ? 」
「噛み合ってないっつーか。
通じ合えて
ないっつーーかーー、、、」
「 ぇ? ? ? 」
「 、、。 俺ら 」
「ぇ? ?
そんな事、ないよ? 」
「 、、え?」
「ん? 私達、でしょ?」
「うん。」
「通じ合えてると
思うけど、、。」
「 、、、、、。
、 、、、 ほら。
ほら ね?
こういうズレだよ。 」
「 え?」
「だから。
ちづちゃんは
通じ合えてると思ってんでしょ?」
「 ? うん。」
「俺は、思ってない の!」
「 ? 、、、? 」
「だから、ほら。
こーゆーとこも。
通じ合えてないじゃんっ!」
「 んーーー、、 と、。
そっ か 。
?
ぇーーと、、。
、、、そんで、これは。
なんの話だっけ? 」
「、 、、、、、 はぁっ 」
「 ? 、、 〜っ 」
ちづるは、
申し訳なさそうな目で
タクミをじっと見る。
大きな目が、少し潤んでいる。
タクミは思う。
「、 、 、 、、」
そんな目で見ても
駄目です
ここは はっきりさせんと
「、、、。
なんで結婚してくんないの?」
「、 ぇ? 」
「俺と。」
「 〜っ! んっ ぇ? 」
ちづるは、
タクミを見て自分もコーヒーを
飲もうとしていた。
飲み込んだ瞬間にそういわれ、
思わずむせそうになった。
「 んっ っ 」
少し咳払いをしてコーヒーを
テーブルに置くと、
驚いた顔でタクミを見る。
しばらく見つめあった後
タクミは視線を落とし、
ため息混じりに言う。
「そりゃあ、さ、、。
あんな、安物でプロポーズ?
みたいな?
、、、思ってるよ、俺だって。」
「 ぇ? 安 、 ? 」
「、、、 、。」
「、! ブレスレットの事?
言ってるの? 」
「、、うん。」
「 〜っ なん 、っ
私、あれ 嬉しかったんだよ?」
「 ゃーー。
でもさ、あれでプロポーズは、、
ねぇ?
、、、ないでしょ。 」
「〜っ そんな事、ないっ!
あれ、、凄く嬉しかったし、、
それに、安物じゃ ないよ! 」
「んーーー?
、、ぅん、、、。」
「そうじゃ、、なくて、
結婚 って 、、〜っ
なんで? 」
「 ? なんでって? 」
「 、、本気 なの? 」
「 うん。」
「なんで? だって、、、
タクミ君、まだ 18、だよ? 」
「 うん。 ぁ、今年19 ね。」
「 私達の、年の差っ
14 才、! だよ ?」
ちづるがそう言うと、
タクミは真剣な目でちづるを
見つめてこう言った。