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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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美しい知能犯-6

「何が…言いたいんですか…?」
マギーはじっと歩美の目を見据えながら言った。歩美はフッと笑う。
「私が言いたい事は分かってるんじゃないの?あなたはレイプ犯が憎いでしょ?」
マギーの目が動揺を現した。しかしどこまで歩美が自分の闇を知っているのか分からない。もしかしたらカマをかけているのかも知れないと思ったマギーは慎重になる。
「別に…?」
そう答えたマギーの言葉に被せるように歩美はその名前を口にした。
「植田卓郎…」
「なっ…!?」
驚くマギーの顔を楽しそうにニコニコ見ている歩美。さらにある人物の名前を連ね、マギーの顔を強張らせた。
「柳沢智也、山口研二…ンフッ」
「…」
マギーの闇を知っている事は確実であった。やはり若菜の忠告通りであった。若菜が千城に帰る前、白川歩美が闇をついてマギーを引き込もうとしてくる可能性があると言われた。そして今、その通りになった。しかし歩美の話次第では若菜にも歩美にも傾きそうな自分の気持ちは自分でもコントロールできるかどうか分からない状況にあった。

「お待たせしました、チーズハンバーグでございます。」
見つめ合う2人を割って入り食事が運ばれて来た。
「わー、美味しそう♪」
歩美は手を合わせてチーズハンバーグを見てニッコリとしている。マギーの顔は強張ったままであった。今まで深刻な話をしていたとは思えない様子で歩美はマギーに食事を促す。
「まず食べようよ♪お腹ペコペコなのよね♪」
未だ動けないマギーをよそに歩美は食事を始める。
「いただきまーす♪あーん、美味しい〜♪」
口をモグモグと動かしながらマギーを見る。マギーは硬い表情のままハンバーグにナイフを入れる。トロッとチーズが流れ出る。その様子はもしも歩美に植田卓郎と言う名のナイフで闇を包む心をカットされたなら、憎き植田卓郎をこの手で殺したいという偽りのない本当の気持ちが溢れる出る事を表しているようで怖くなった。確かに美味しいのだろうがマギーにはその味は全く感じる事が出来なかった。

「そんな怖そうな顔してたら美味しいものもく感じないでしょ?肩の力、抜きなよ、マギー♪」
マギーと呼ばれた事が、どうしてもそちら側に誘おうとする歩美の気持ちに思えて怖くなる。
(相当私を調べてるわね…)
警察にしてみれば歩美はテロリスト…すなわち敵だ。しかしレイプを憎むと言う点については敵だとも断定できないマギー。テロリストであり自分の味方のような存在…、マギーは歩美に若菜と同じ感覚を抱いていたのであった。


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