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二人の外道2
【鬼畜 官能小説】

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A:3-4

 三十分後、美衣奈はようやくそろばん板の責め具から解放された。荒い息をして横たわる美衣奈の両脚は、脛から足の甲にかけて五つの青あざが横一文字に貫いており、所どころは皮膚が破れて流血を伴っていた。失禁して湿り気を帯びている下着からは、尿素からアンモニアへと鞍替えした液体が染み込んで臭気を放っている。
「わーお、痛そうだ。板の角を削ってなきゃ、今頃脚なくなってたぜ」
 Aはまるで実験動物の結果を見ているように無邪気に笑っている。彼の足が美衣奈の無残な片脚を軽く小突いた。
「いたっ……うぅぅ」
 美衣奈の身体がビクッと跳ねた。うっ血していた脚部は、少しの衝撃でさえも痛みとなって美衣奈に襲い掛かる
「ごめんなさい……智くん、ごめんなさい……」
 彼氏だと言っていた売人仲間に謝罪を繰り返しながらすすり泣く美衣奈を見下ろして、Bは無表情のままだった。
「掃除は俺がやる。クソガキ檻にぶち込んどけよ」
「うぃー」
 こういう外れた輩がどうなろうと、彼にはどうでもよかった。

「あ、歩けないよ……」
 美衣奈は立ち上がろうとして、脚に力が入らず前のめりに倒れ込んだ。両脚に鈍痛が走る。
「めんどくさ」
 露骨に嫌な顔をしたAは、美衣奈の後ろ手の手錠を外して手を前に持ってくると、またその手首に手錠をはめた。枷部分同士を繋ぐわずかな鎖を鷲掴みにされると、美衣奈は魚河岸の魚のように引っ張られて部屋を連れ出された。
「手っいたいッ! あ、歩くっ、歩くからっ」
「すぐそこだ、我慢しろ。気絶しとけば担いでやったのにな」
 手首に全体重がのしかかる。鉄の枷は皮膚を切り裂き、小さな流血を伴って美衣奈を引っ張っていく。
 牢屋に物でも放り込むように美衣奈を投げ入れたAに、彼女はこらえきれずに小さな非難の声をあげた。
「ひどいっ……こんなっ」
「違法ドラッグキメて、しかもその薬物仲間も売るようなクズは多少乱暴にされてもいいんだよ」
「……ッ!」
 美衣奈は顔を伏せて唇をかみしめる。後悔だろうか? それとも、仲間を売ってしまった罪悪感だろうか? 伏せている顔から僅かにのぞく頬へと涙が伝わる。
「明日までにシャワー浴びて身体洗っとけよ、ションベン臭いから。浴びてなかったら明日は水責めにしちゃうぞー」
 そう言い放ってAは重い鉄扉に鍵を掛けた。彼女は顔を伏せたままだった。

「どう? あれで十分か?」
「ああ、まぁなんとか形になるだろ」
 ハンドルを握りながらBはAの質問に答えた。美衣奈から聞き出した情報を元に警察なりマトリなりを動かし、拠点を強襲させて一網打尽に、と言ったところか。
「代々の政治家に加えて不動産もやってると、嬉しくないツテもできて嫌だと思ってたが」
「まさか役に立つとは思わなかったって?」
「そうだ。毎年年賀状送った甲斐もあったってものだな」
 目前の信号が赤になる。スピードを落として車を停止させるとBは大きなため息を一つ。
「で、これからあのガキはどうするんだ?」
 今度はBが問いかける。助手席のAは今後の展開を特に考えている風ではなかった。
「うーん、凌辱でも拷問でも、気分によるなあ」
 凌辱に理由はいらないし拷問をしたいならば、まだ全部吐いてねぇな! とか適当に言いがかりつけて痛めつければそれで十分だ。
「なんならBくんも混ざってヤル? あいつ遊んでてもなかなか」
「あんなヤク中のバカガキじゃたたねぇよ」
「グルメなやつー」
「俺はこだわりある外道なものでな」
 言い終えると同時に信号が青に変わる。つい最近ミッション車からオートマ車へと買い替えたので、ついクラッチ操作をしてしまいそうになる。運転している楽しみはないが、オートマは楽でいい。Bは小さく笑ってアクセルを踏み、車は闇夜に消えていくのであった。


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