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二人の外道2
【鬼畜 官能小説】

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A:4-1

 重い引き戸が音を立てて開き、美衣奈は思わず身構えた。この場所には時計がなく、どれほどの時間が経ったのか見当もつかない。もちろん、パソコンやテレビなど日時がわかるようなものは一切与えられてはいない。彼女にわかるのは扉が開いたときが受難のときを知らせる合図だということだ。
 ずかずかと入ってきたAに鎖付きの首輪を装着される。彼の指示通りに両手を後ろに回して後ろ手に手錠で拘束される。美衣奈は前回のように反抗などしなかったが、自ら動こうともしなかった。
「いッ……んぅ」
 手錠をかけるとき、手首に枷が食い込んで腕を引っ込めたのが、唯一の自発的な行動と言えるものだったが、それすらも神経が反射的に行ったもので、能動的な行為ではなかった。
「昨日とは打って変わって大人しいな」
「…………」
 美衣奈は終始無言だった。彼女の心は折れてはいなかったが、無意味な抵抗をするほどの反抗心はすでに乾いていた。せめて無言を貫き、唇をかみしめることが、彼女ができる精一杯の抵抗であった。
「静かにはしてるが、心はまだ折れてないよな?」
冷や汗がゆっくりと背中を伝う。Aにはすべて見透かされているのだ……。

「なにこれ……」
 部屋に着くまで口を真一文字に結んで押し黙っていた美衣奈もさすがに困惑の声をあげた。彼女の目の前には、異様な物体がたたずんでいた。
 背もたれとひじ掛けのある一人用の椅子。それだけでは何の変哲もないものである。しかし、その椅子には腰掛部分にはもちろん、背もたれからひじ掛けに至るまで、肉体が触れる部分にはすべて、針がびっしりと生えていた。
「審問椅子。とある時代とある国で発明された拷問器具さ」
「こ、こんなの死ぬって!」
「じゃあそれまでの女だったってことで」
「なっ……」
 狂っている、こいつは完全に狂っている。どう考えても死ぬに決まっている。無数の針の上に座るんだ。きっと血もたくさん出て痛いだろう、死ぬまで血を流し続けるだろう。こんな、こんな死に方したくない!
「い、い、いやだっ! いやだいやだいやだぁッ!」
 暴れる美衣奈はAとBに二人掛かりで抑え込まれ、バスローブをはぎ取られる。下着姿を晒しても美衣奈は抵抗を続ける。
「Bくん、ちょっと離れて」
 後ろから暴れる美衣奈を羽交い絞めにしていたBはサッと身を反らした。瞬間、Aのつま先が美衣奈の腹部にめり込んだ。
「ぐぇッ……!」
 呼吸が止まり、呻いてよろける。衝撃にこらえきれず尻もちをついた場所は、あの拷問具の上だった。


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