投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 383 「夏の出来事 5」 385 「夏の出来事 5」の最後へ

卒業-5


タクミは立ち上がり
台所のコンロの前にいるちづるの
背後に立つ。

料理の中身を見に来たと思い
ちづるは
タクミの顔を見上げて微笑み、
鍋の蓋を開けようとする。

しかし
その動作と同時にタクミが呟く。


「ごめん。 俺 、 、」


「 ? 」


「それ、食べれないかも。」

「 ぇっ?    ? 」

「 あの さ、、 俺 」


      ちゃんとした大人だよ
       
         ちづちゃんは
     

         

「 俺 さぁ。
 ちょっと、、。
    お腹、痛くて。  」 

        でも 俺

        ちづちゃんに
       ちゃんとした大人を
        望んだ事なんて
   
      1度だって 

     ないよ


「 え? お腹?  」 


「うん。  、、だから、」


「 ? 」

「今日は、、ちょっと 
     帰るよ、、。」 


「 ぇ? 」

「せっかく、、作ってくれたのに
      ゴメンね?    」


「 ぁ ううん、、それは
 平気だけど、、。
 大丈夫? ぁ 薬 っ  
     うちにあるかも 」


「 ぁーー、、いいよ。
 そんな たいした事ないから 」


「、 、でも 」


「 ふふっ ちづちゃん  」



タクミは両手で、
ちづるの両手の平を持つ。
微笑んでちづるの目を見つめる。

タクミが言う。

「いつもー、、ご飯とか、
 ありがとうね。
 あ、治ったらさぁ。
 ちゃんと、食べるから、、。」

「 ん  うん、、。」

「キスして、いーい?」

「 ぇ? ぁ、、、 うん 」


ちづるは少し照れて微笑み、
タクミがちづるに顔を近づける。

いつもと同じ、タクミの笑顔。

しかし何かをためらうように
タクミの動きがピタリと止まる。

タクミの目の奥が一瞬だけ
辛そうだった。
そして、わずかに
震えたような気がした。

「 ? 」


     タクミ君? 


「、 っ ぁーー、、
 やっぱ、、、 うん  
     やめとく 。 」

「 ぇ?」

「風邪だったら、、
  移したくないし〜。」 


「 ぇ? 、、。
 でも、 、
   お腹痛い だけなら、、 」 


「、、、。 また ね。」


「 ぁ  、、、、ぅん。 」



タクミはそう言うと
静かにちづるから離れる。

もらったキーケースを
学生鞄に入れ、
タクミは出ていった。


「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 383 「夏の出来事 5」 385 「夏の出来事 5」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前