〈楯と牙〉-5
『恥ずかしくないよなあ？今までだってカメラの前でオナッてたんだし……フフフッ…おい、花恋。気持ちが“昂った”ら、彼氏の名前を呼んでもいいんだぜ？』
「ぐッ…ひ…んぎ…ふひ…ッ」
『へへへ……兄ちゃん、コイツさっきからクリトリスばっか弄ってるよ？やっぱり“先っぽ”が好きなんだな』
先だっての休日、花恋は兄弟にレイプされた。
枷とギャグに拘束され、身動きすらとれない状態にされて姦された。
そこに花恋の“意思”は介入しておらず、完全なる受け身のまま汚された。
しかし、今の花恋には意思がある。
いくら命令が下されているとは言え、股間をまさぐる指は、花恋の意思が無ければ動くものではない。
裕太と裕樹は花恋に辱しめを与えるだけではなく、同時に心も《犯している》のだ。
一方的に弄ばれるのではなく、自らの意思でもって股間を弄ぶ。
哀しく、悔しく、腹立たしく、それでも花恋は『恥辱の快感を貪れ』という命令に背けない。
敏感な部位を弄り、泣きじゃくりながらビクビクと身体を引き攣らせる。
その意思と繋がりながらも意思には反する一部始終は、その様を商品にしようとする無機質なカメラに収められていく……。
『そういや知ってたか？花恋は日曜日、彼氏とデートなんだとさ』
『なに勝手に約束してんだよ……まあイイや。午前中に俺達とパンティ買いに行って、午後からデートしてこいよ』
(ッ………!!!)
日曜日のデートを潰されなかっただけマシと思えばいいのか、それとも……花恋は唇を噛みながら、反抗的な言葉を飲み込む。
『これからは脱いだパンティは全部〈売る〉って決めたから。『カレンちゃんの生パンが欲しい』って変態は腐るだけ要るんだからさあ？』
『少しは喜べよ？パンティ使い捨てにするんだぞ？いつも新品ばっか穿いて、オマンコの臭いと汚れが染みたパンティは、金持ちのエロオヤジの《餌》にしてやるんだ。貧乏人にはこんな贅沢な生活、想像もつかないだろ？』
「ぎ…ひ……ッ！」
ただでさえ兄弟に盗まれ続けたせいで、学校に着けていく白い下着の枚数は減っている。
実際に下着を購入しなければ枚数が足りなくなりそうだったし、いま“言った事”を実行されたなら、いずれは下着を着けないままで学校に行く羽目に陥るはずだ……。