鏡【裏側】〜初恋〜-6
ニュル…
「!!」
洋子さんに握られた俺のモノが熱い花心にあてられた。先端が触れただけで俺は爆発してしまいそうだ。
「さあ…入ってきて…」
洋子さんの声に促され、俺はゆっくり腰を落としていった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ…」
ズブズブズブ…と俺は洋子さんの中に沈んでゆきながら声をあげていた。
俺のモノに絡みつく洋子さんの熱い粘膜を感じ、頭の先から体を貫くような快感に倒れてしまいそうだ。
「ぁぁ…洋子さん…洋子さん、洋子さん洋子さん洋子さん!」
彼女の名を叫びながら無我夢中で腰を動かすと、あっと言うと間に俺は果てた。洋子さんの中に、俺の全てを吐き出し、全身に粟立ちを感じながら俺は果てた。
あの日から…
俺は洋子さんと何度も甘い時間を過ごしてきた。
洋子さんは、俺に女の扱い方を更に詳しく教え、俺は忠実にそれを学んだ。初めての交わりで見せた幼稚で稚拙な俺の技を、洋子さんは馬鹿にすることも無く、その後も甘い交わりを重ねてくれたことが俺は嬉しく、ただひたすらに洋子さんを愛することで気持ちを伝えたいと思っていた。
中三になった頃にはクラスメイトの中にも童貞を捨てた者が何人か現れ、男同士集まれば、女の話やセックスの話に明け暮れたものだった。
まだ童貞を捨てていない奴に自慢げに話をするクラスメイトに、俺は軽く優越感を覚えていたが彼らを馬鹿にするような事はしなかった。
俺と洋子さんの間で交わされる濃密で甘美な時間は、二人だけで共有するべきで、誰かに自慢したり見せびらかすようなものでは無かったから。
同級生の女の子たちも、グラビアに悩殺的なポーズで微笑むアイドルたちも俺にとっては魅力ある存在にはなり得なかった。だからと言って女の子たちに冷淡に接するわけでも無い俺は、
「山本君って素敵よねぇ〜」
「他の男子みたいにエロくないし、ストイックな感じがすごく良くない?」
「紳士的って感じよねぇ」
などと、皮肉にも女子たちの間で人気を集める事となった。
「山本、おまえそんなにモテるのに、女に興味ねーの?」
同級生たちは不思議そうに訊ねるのだった。
俺は、
「興味が無いわけじゃ無いけど、もっと気になるものがあるだけだよ。」
と答えた。
「ふぅ〜ん」
きっと彼らは、俺の言う“もっと気になるもの”が、勉強やスポーツだとでも思ったのだろう。理解出来ないな、と言うような顔をするのだった。
洋子さんと逢う約束の日は、朝から洋子さんの事ばかり考えていたが、だからと言って二期目の生徒会長を務める俺が、学校の事を疎かにする事は無かった。
「女に夢中になる事はいいが、やるべき事は忘れるんじゃないぞ。」
「両立出来ない男は二流だ。」
ある時親父にそう言われ、
(やっぱり知っていたんだ)
と思った。
自分が姿を消した後、息子と秘書の間に何があったのかなど、この男にはお見通しのはずだ。
「はい。わかりました。」
とだけ答えた。
洋子さんと逢う回数が増えるにつれ、俺の性技は磨かれていった。自分の射精をコントロールする術も身につけていたし、指や舌だけで洋子さんの体を硬直させ痙攣と共に秘所から熱い雫を迸らせることも出来るようになっていた。
情事が終わった後に、洋子さんの表情に満足そうな様子を見る事が出来ると、俺も満足し自信を増すのだった。
二人の関係は永遠に続くと思っていた。俺たちの甘く熱い時間が終わる日が来ることなど、想像すら出来なかった。