ドラッグストアの駐車場で-4
瑠美子は悲しくなった。
胸の奥が痛くなり声が震えそうになるのをどうにか堪えた。
「じゃあ、どうすればいいの?わたし」
夫は、聞こえるか聞こえないくらいの音で舌打ちした。
「とにかく。とにかく何とかしろ!」
そう言い残して夫は出勤していった。
投げやりに閉まる玄関ドアの音が瑠美子の心に突き刺さった…。
リビングテーブルの上に置いたスマホが光って、瑠美子は我に返った。
慌てて取り上げると、着信はセレクトショップからのクーポンメールだった。
それを削除すると、瑠美子は自分の送信メールを見かえした。
全てが夫宛てのメールである。
しかし、夫からそれに対する返信は一切なかった。
一方的に瑠美子から訴えかけている履歴がずらっと並んでいた。
もう期待するだけムダなのか。
そう思ってスマホをテーブルに置いた。
(連絡をちょうだい。寂しい。もっと二人で話し合いたい。亜美のことも、日頃の出来事も。夫婦で相談しながらやっていきたいのに…)
孤独と人恋しさ。
目に涙が滲んで溢れた。
スマホの電話着信を知らせるメロディーが突然鳴った。
(夫からだ!やっぱり亜美のことが心配になって、電話をくれたのね)
瑠美子は急いでスマホを取り上げ電話に出た。
しかし、それは夫からではなかった。
「瑠美子さん?わたしよ、由香です!」