第11話 模擬エスコートC-2
『物理部』
技術部、情報部、PC部、マイコン部、アマチュア無線部……それっぽい部活を全て括った部活が、学園における『物理部』です。 部室内にはポスターと共に、自作したと思しき機器が所狭しと並んでいました。 『自作っぽい』と表現したのは、完成度が高いからです。 驚くほど丁寧にポスターカラーやエナメルで仕上げてあり、学園入学以前であれば、市販としか思えません。 ですがこの一学期間を学園で過ごし、設備、生徒の能力、要求水準の高さ等々、学園に備わっている本格嗜好な一面を知っています。 こういった高度な仕上がりであっても、部活の延長と考えて間違いないでしょう。
物理部のテーマは『音声認知センサー』でした。 牝の声――吐息から嬌声、悲鳴や喘ぎまで――を総合的に判断するセンサーを組み込み、然るべき運動を機械に促す、というものです。 機械とは、例えば『全自動エボナイト研磨機』です。 エボナイト棒を機器にセットし、M字開脚で椅子に固定した牝の股間に狙いをつけます。 スイッチを入れると、機器がエボナイト棒をピストンさせたり、或は回転・微細な振動を加えます。 絶頂してしまうと大量の液体が分泌されるので好ましくないものの、なるべく多くの潤滑液の中で磨いた方がエボナイト棒に艶が出ます。 牝は自分の膣でエボナイト棒を磨く役目ですから、声や吐息は好ましくありませんが、そうはいっても多少の嗚咽は漏れてしまう。 そんな声を機器に付属したセンサーで拾わせ、喘ぎが多ければピストンの勢いを下げるとか、息遣いが穏やかならばもう少し激しく回転させるとかで、常に絶頂間際を維持するように動作する……という機械でした。
他にも『臀部充血調節機』といって、ムチやパドルでお尻を叩き、牝らしく猿のように発情したお尻に化粧する機械があります。 打擲にたいして、ウッだとかンッだとか反応した音声を拾い、しなりや勢いを調節するセンサーが組み込まれていて、常に我慢できるギリギリの強さでお尻を色づけるよう設定されていました。 それって、我慢出来るかどうかなんて、声だけで分かるものなんでしょうか? 下手に大声を出せば『化粧』に対する感謝の気持ちが足りないとか難癖をつけられそうだし、ムリに我慢させるだけな気もします。 あ、それでも我慢できる範囲ってことになっちゃうのか……うーん、何とも言えないです。
一番印象に残ったのは『膣指導促進装置』でした。 M字開脚で椅子に固定した牝に対し、ピンポイントで膣乃至クリトリス、或は太腿や乳首……つまり身体中にに『ゴムパンチ』をヒットさせる装置です。 膣が過敏すぎて、或は自分が牝だという認識不足により、積極的にオマンコを活用できない生徒への指導に使われます。 生徒はゴムパンチが来るたびに『気持ちいい、もっとぶってください、私は変態です!』と大声で叫ばなくてはいけません。 音声センサーがその声を判定して『本心から言っている』と判断するまで、或は『100発』に達するまでゴムパンチが繰り出される……そうポスターには説明してありました。 つまり、ゴムパンチから解放されるには、恥部の痛覚刺激を『気持ちいい』と認識し、『もっと叩かれたい』と心から願えるようになるか、100発の打擲に耐えるかです。 性感すら学園にコントロールされ、オマンコを躾けられることを願うように、身体も心も変えようとする機械。 そういう機械が実在するということもさることながら、こんな機械を部活で作っているという事実は強烈です。 実用化されないことを祈るばかりです、ほんとに。
『華道部』
部活紹介時に見た『人間生け花』かと思っていたら、ごく普通に生けた華々が飾ってありました。 ただし花器は特製のようで、部員の『オマンコ』を象った実寸大の花器が並んでいます。 大陰唇、小陰唇、尿道、肉芽はもちろん、膣の奥行や内側の襞も再現されているそうで、生体3Dプリンターを活用した、とト書きに説明がありました。 詳しい作成手順はというと、3Dプリンターで作成したプラスチックを型にとり、石膏を流し込んで外観を固めます。 その外観に陶磁器用セラミクスをピッチリ詰め、あとは釉薬を塗って窯にいれれば、自分のオマンコ型の陶製花器が完成します。 花器製作中の様子を撮った写真がありました。 みんな真剣そのものの表情で、自分のオマンコや陰毛まで再現した陶器をまさぐっています。 たかが花器と侮るなかれ、ですね。
生け花そのものにしても、百合の花弁が絡み合っていたり、ビラカンサの蕊が交差していたり、何かと性器を想像させる造形が多かったです。 あ、それとも性器を想像してしまうのは、私の眼が曇っているせいかもしれません。