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SM学園・行事幕間
【学園物 官能小説】

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第1話 2番の学園祭-1

〜 文化祭実行委員 ・ Cグループ2組、2番 〜

 学園祭クラス実行委員になって、初めて分かったことがあります。 『指示を出す』側の新鮮さ、そして難しさです。 Cグループ生として、学園でも寮でも、授業から特別活動から部活から放課後まで、私達はいつでも『指示される側』でした。 例え恥ずかしすぎたり理不尽だったり、身体を酷使する拷問レベルの指示だとしても。 何も考えず自分を機械に貶めていれば、それなりの辛さを経て、どうにかやり過ごす事ができたんです。 

 でも、実行委員はそういうわけにはいきません。 人数の分配にしろ、メイン展示の練習にしろ、今まで有無をいわさず引っ張ってくれた【8号】教官は、職員室に戻ってしまいました。 教室には生徒以外誰もいないんです。 仕方ありません。 私以外の人数は全員きっちり『役』に振らなくちゃいけないし、どんなにやりにくくても、私が指示を出すより他ありません。 打ち合わせの内容をみんなに伝えて、学園祭にむけて流れをつくって……頑張ります。

 メイン展示は『清流噴水』。 ピカピカに磨いた腸から、一片の汚物も混じらない液体を噴いてみせる。 清らかで、かつ上品に牝らしい営みを晒すという展示です。 具体的には徹底的な直腸洗滌のあと、咽喉を経て腸内に納めた『ひまし油』――人体に無害で、体内に吸収されない油状の液体――を、高さ3メートルまで噴水させる、というものでした。 浣腸ではなしに飲み干してお腹に大量の油を溜めこむことが、そもそも大変です。 生徒会から配られた『仕様書』によると――そもそも私達人間の演技を『仕様書』でモノみたいに指示されること自体悔しいですが――15L(リットル)の液体を腹圧20Pa(パスカル)以上で圧縮放屁しなくては3メートルに達さないそうです。 『生体力学』という、牝の内臓筋や消化管の容積を勘案し、人体の能力を見積もる科学から導いた数値だと、生徒会副会長はおっしゃってました。 1人で15Lを腸内に納めるなんて、絶対に不可能です。 ですから、複数のお尻の穴をパイプで連結して、タイミングと力を合わせて排泄することになるわけです。

「ずっと噴水しっぱなしっていうわけじゃないんです。 生徒会の予定だと、10分に1回、噴水を見せなきゃダメなんですよ。 朝9時開始で、閉幕式が16時ですから、7時間合わせて42回……15人で回すことに決まりました。 どんな道具を使うかとか、何人でローテーションするかとか、細かいコトは全部クラスで決めていいそうです。 逆にいうと何にも教えてもらってません。 あ、練習に使う『ひまし油』はいくらでも使えるよう、割り当ててくれてます。 道具についても、申請すれば大抵の道具は揃えて貰えます」

 打ち合わせで指示されたことを、正直に伝えた私に対するみんなの視線は、予想通りすっごく冷たかったです。

「つまり、自分達でウンチ用の道具を作って、練習して、ウンチの噴水をしろってこと……かぁ」

「違うよ。 ウンチが混じってたらダメなんだよ。 よく知らない油だけを、ぴゅってお尻から飛ばせってことでしょ?」

「そんなの……ムリに決まってるよ……」

「生徒会だか何だか知らないけど、教官より酷い要求だって、これ。 20Paって、なにそれ? 普通に飛ばす時だってせいぜい5、6Paだよ。 何人も力を合わせたからって、それでどうにかなるもんだと思えないんだけど」

「浣腸じゃダメかな? 思いっきりたくさん入れたら、あんまり長い時間は我慢できないけど、3Lくらいなら頑張る。 だけど、口から飲んでお腹に溜めるっていうのがムリ。 だいたい飲んでからウンチ出来るようになるまで、どうしたってすっごい時間かかるもん。 10分置きに出せっていうけど、そもそも物理的にどうなのって感じ」

「去年が全裸でポージングなんだったら、今年もそれじゃダメなのかな」

 軒並み否定的な意見のオンパレードでした。 でも、ダメだからって許してもらえるとは思えません。 メイン展示です。 しかも私達は下級生です。 学園では一片の着衣すら認められていません。 限りなくDグループに近くて人権の欠片もない最下層の身分なんです。 中には私に『別の案に代えて貰えないの?』みたいなことを聞く人もいましたけど、聞こえないフリしました。 答えは分かりきってます。 そんなの出来る訳ありません。 学園で数か月過ごしてるくせに、訳の分からないこといわないで欲しいです。

「ひまし油って、飲んだことある?」

「あるわけないよ……そんな簡単にお腹に下りてくるのかな」

「まあ……噴水も、ムリって思ってるけど、先輩にだったら出来るんだと思う。 先輩は自分に出来ないことをしろ、なんていわないよね」

「やっぱり、やるしかないのかなぁ……」

 しばらくガヤガヤ話すうちに、だんだん場の言葉数が減ってゆきました。 みんな、私達に拒否権がないことくらい、心の中では分かってるんですよ……哀しいけど、ここは『学園』なんです。 学園の文化祭なんだから、例え生徒主催だとしても、学園のルールは絶対です。 考えようによっては、一瞬でも『ムリ』みたいなネガティブ発言ができたこと自体、本来贅沢なことでした。
 


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