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さおり、12歳
【ロリ 官能小説】

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意外な顧客 Y-2

 大ベテランの早百合ですら経験がない種類の顧客……それは女性だった。
 女性が女性を買う、全くありえないと言う話ではないが、さおりが所属する組織ではこれまで一度もなかった、12歳のさおりだからこその話だとも言える。

 さおりを買ったのは人気女優のY、元は宝塚の男役トップスターだった。
 現在40歳になるが、きりりとして癖がない美貌とすらりとした長身で男女共に人気が高い。
 素顔の彼女も少し男勝りでさっぱりとした気性の女性、宝塚退団後はドラマや映画で女優として活躍している、男勝りの役柄にはぴたりと嵌る。
 と言ってもそれ一辺倒と言うわけではなく、恋愛ものにも当たり役を持っていて、その活躍の巾は幅広い。
 
 そして彼女の性癖はといえば、役柄同様両刀使いなのだ。

 男嫌いと言うわけではない、実際、宝塚退団直後には男と付き合っていたし、ノーマルセックスでの絶頂もちゃんと知っている。
 しかし、男役時代、舞台や稽古で娘役を抱きしめたりキスシーンを演じたりして女性の恍惚の表情を目の当たりにしていたので男性の気持ちも少しわかる、恍惚の女性を美しいと思い、キスも擬似ではなく本当にしてみたいという欲求は常々感じていた。
 とは言え、『清く正しく美しく』がモットーの宝塚、後輩にもファンにも手を出す訳には行かない、レスビアンを経験したのは宝塚退団直後に付き合っていた彼氏と破局を迎えた時のことだった。
 表面的にはいつもと同じに明るく振舞っていたが、その実かなり落ち込んでいた、そんな折にYを慰めてくれた女優がレスビアンだったのだ。
 女性同士であり、映画での共演を期に親交のあった女優とあっては、Yのマンションに入り浸っても怪しまれない、Yも最初は抵抗があったものの、キスをしてしまえば男役時代の感情もあり、のめりこんでしまったのだ。
 
 とは言え、ピンチもあった。
 女性同士とは言え、あまりの親密さに疑いを持つ芸能リポーターがかぎまわり始めたのだ。
 しかし、相手の女優はしたたかだった、さっさと男優と浮名を流し、その疑惑を根底から消し去ったのだ。
 全く巧妙なやり方だった。
 浮名の相手の男優は元はといえばアイドル上がり、とは言え、演技には真面目に取り組んできたので演技力には自信をつけて来ていて、いつまでも元アイドルのイメージを引きずるより汚れ役でも演じられる実力を示したいと考えていたが、事務所がその路線を認めないのでいつまでも同じような役柄しか廻ってこないことに不満を抱いていた、転機を必要としていたのだ。
 女優は元より清純派ではなく妖艶さが売り、浮名はマイナスには働かない、まして元アイドルの二枚目俳優と浮名を流す事はイメージアップになりこそすれダウンにはならないのだ。
 女優は生粋のレズで男に興味はなく、実際には二人の間には何もなかったのだが、しばしば密会を装って会い、しかも芸能リポーターにはわざと隙を見せて適度に嗅ぎまわらせる、その事によって元アイドルは事務所に方向転換を認めさせ、女優も浮名を流すことによってしばらくは週刊誌をにぎわせることが出来た、そしてYのレスビアン疑惑も奇麗に消え去ったのだ。
 Yと女優の関係は未だに続いている、とはいえ、以前の様に頻繁ではまた週刊誌の餌食になる、ベッドを共にする回数はぐっと減ったが、二人の関係も最初の頃のように熱を持ったものではなくなっていたのでさして痛手にもならない。
 Yは芸能界を泳ぎ切る術を教わった思いだった。
 
 
 本来女性であるYが高級コールガール派遣組織を知る機会はごく限られる。
 実はYにさおりを紹介したのはAなのだ。
 YとAはぶつかりながらも惹かれあうという設定のドラマで共演し、意気投合していた。
 そしてドラマがクランクアップした時の打ち上げ、共に酒豪で鳴らす二人は周囲が酔いつぶれてもどこ吹く風、明け方まで飲み明かした。
 その時、名前は出さなかったものの、酔った勢いで12歳のコールガールの話になり、それにYが強い興味を示して両刀使いをカミングアウトして熱望したのだ。
 Aは数日後、素面の時にもう一度Yに確認してからさおりを紹介した。


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