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さおり、12歳
【ロリ 官能小説】

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日本画家 Z (最終回)-4

「さおり、小包が届いているわよ」
 学校から帰ると母の早百合が嬉しそうに言う。
「誰から?」
「Z先生から、さおり、モデルになったんでしょう?」
「うん……なんだろう?」
「大きさと形からして絵じゃないかしら? 額縁に入った」
「そうみたい」
「早く見たいな」
「開けてもよかったのに」
「いくら母娘だってそれはダメよ……ねえ、モデルになっただけだったの?」
「ううん、一回だけだったけどちゃんとお相手も出来た」
「画伯って80歳なんでしょう? お元気なのね」
「……ん?……でも10年ぶりだって……」
 さおりは厳重な梱包を丁寧に解くのに夢中になり、半ば上の空で答える。
「10年も?」
「……うん……奥様が亡くなってから出来なくなってたんだって……」
「ふうん……」
 早百合は作業に集中しているさおりを眺めながら考える……。
 奥様を亡くしてから10年……それはおそらくは体ではなく心の問題。
 何かのきっかけでEDに陥る男性は少なくないが、その多くはたまたまその晩不能だったことがトラウマになったり、女性からの心無い言葉や態度が原因になっていることが多い。
 早百合もそんな男性を奮い立たせて自信を取り戻す手助けをした経験は何度もある。
 しかし、画伯の場合、不遇時代を奥様が支えたことは良く知られている、その奥様が亡くなって10年もの間不能に陥っていたと言うことは、亡き奥様への深い愛情が原因……。
 心無い女性からの一言がきっかけになっているのなら、テクニックを駆使して奮い立たせ、言葉と態度で自信を回復させてやれば良い、しかし、画伯の場合は方向が間逆、自分でもその画伯を奮い立たせられたとは考えにくい。
 確かに12歳の少女を抱くことなどさおりを置いてまず他に出来ない、その意味でも既に稀有な存在であることは確かなのだが、さおりにはそれだけでない何かがあるように思えて来る……単にロリータ趣味や物珍しさだけではなく、小さく軽い体と狭くて締め付ける膣のおかげだけではない何かが……。

 『聖なる性』

 そんな言葉がふと頭に浮かぶ。
 さおりを抱く時に、多くの男は欲情に任せて快楽をむさぼるような心持ではないのかもしれない、聖なるものを愛でながら天にも昇る心持を味わっているのかも……そうでなければ亡き奥様への愛情が原因でEDに陥っている80歳を救うことなど出来はしない……。

「わあ、凄い! Z先生の肉筆画よ!」
「どんなの? 見せて」
「うん」
 そこには裸体のさおりが描かれていた、これまで一枚も発表していない、そして今回も発表はしなかった少女の裸体画……。
 それを発表すれば話題になっただろうし、高値もついたはず……『一度は描いてみたかった』と仰っていたことも聞いている、しかし、画伯はそれをさおりと二人の間の思い出にすることを選んでこの画を贈ってくれたのに違いない。

「凄く綺麗……私じゃないみたい……」
 さおりはそう言って喜んでいるが、早百合にはそうは思えない。
 確かに描かれているのは生身の人間とは思えないほどに美しく純粋な、天女のような姿。
 しかし、画伯の目に映ったさおりはきっとこの通りだったのだろう……おそらくは、さおりを何度もリピートしてくれる顧客にとっても……。
「素敵ね、天女みたいよ」
「えへ、なんか照れちゃう」
「でもきっと先生にはそう見えたのよ、さおりが」
「そうかなぁ、そうだと嬉しいけど」
「きっとそうなのよ」
 今のさおりは『聖なる性』を備えている……。
 しかし、数年先にはさおりも大人の体になって行く、体の成熟とともにそれは失われて行くものなのか、持ち続けられるものなのか、それはまだ判らない。
 あるいは成熟と共に趣を変えて行くものなのかもしれない……。

 自分の手で理想のコールガールを作り上げてみたいと思ってさおりを産んだ。
 理想のコールガールにしたいと願いさおりを育てた。
 全ての男性に癒しを与えられる、最高の女性に育て上げたいと願った。
 しかし、さおりは自分が思い描いた理想を超えて、その先の高みへ昇ろうとしているようにも思える、天を目指して舞い上がる天女のように……。
 
 早百合は画伯が贈ってくれた画をいつまでも飽かずに眺め続けていた……。
 
 
        『さおり 12歳』 終
 
 
 
  
 作者あとがき
 
 これを以て『さおり 12歳』は完結とさせていただきます。
 途中、長い空白があったこと、A~Zまで書くつもりが、そこまで至らなかったことをお詫びいたします。
 
 空白期間は一般小説(と言う呼び方があるのかわかりませんがw)に専念しておりまして、正直なところ、今は官能物を新しくは書いておりません。
 この作品に関しましても、書きかけだった章を補完しただけで、抜けているアルファベットを埋める作業は割愛させて頂きました。
 
 とは言え、まだ手持ちの作品はかなりございますので、それらは順次投稿して行きたいと思いますので、よろしくお付き合いお願いいたします。
 
 (次回作は『大沢商事の地下室』と言うSMものを予定しています。)


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