元力士 T-3
「ああ……ううん……」
さおりはTの膝、いや腿の上だ。
背面座位で結合しているのだが、手首をバスローブの両端でそれぞれ縛られ、輪になった部分はTの首の後ろ側にかけられている。
挿入されてから手首を縛り始めたので、そこそこ時間は経過しているが、今日二本目にもかかわらずTのペニスは固く勃起したまま、Tもかなり興奮しているのだ。
「いいかい、立ち上がるよ」
「はい……あああっ」
Tがさおりを腹にくくりつけた状態で立ち上がる。
Tは両手でさおりの腿の前側を抱えているから、そのまま立ち上がるとさおりの体は更に反り返ることになる、まるで斜めの駿河問いのような形だ。
肩が、背中が、脚がきつい……、くくりつけられた状態でTがのしのしと歩くと、その振動が更にさおりの体を責め立てる。
しかし……。
「左を見てごらん」
Tの言葉の通りにすると、そこには姿見、正に『オーガに陵辱される町娘』の姿がそこにあった。
「ああ……このイメージです……凄い……」
「それは僕も……こんなに興奮したのは始めてかも」
Tの興奮は膣でも感じることが出来る、ペニスが鋼のように固く、サイズも少し大きくなっているかのように感じる。
Tが興奮している……それは少し恐ろしくもある、何しろ規格外のパワーの持ち主なのだ、『押し捲られちゃう』程度で済まないかも……しかし、その恐怖心すらさおりの興奮を更に掻き立てる。
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
Tがピストンを始めた、二百キロの力士をも吊り上げる腰のパワーがペニスの一点に集中してさおりを責め立てる。
Tが姿見に正対した、しかし、さおりはなかなか顔を上げることが出来ない、Tのペニスはエンジンのピストン、さおりの膣はシリンダー、愛液というオイルがなければ焼きついてしまいそうだ。
「うぐぐぐぐ……」
ようやく何とか顔を上げて自分の姿とTの姿を鏡で見る。
Tは真っ赤な顔で天を仰いでいる、強烈な興奮と快感に射精を堪えるのが精一杯なのだろう、そして自分はと言えば、目の焦点が定まらずに瞳が泳いでいる、憔悴しきった表情も自分では見たことのない凄味を湛えている……。
「うおおおおおおおぅぅぅぅ……」
Tが狼の遠吠えのような声を発すると、さおりも膣内に飛び散る精液の熱さを感じて果てた……。
「ごめんね、痛かっただろう? 大丈夫? つい興奮しちゃって」
ベッドに腰掛けたTは首から紐を外してさおりの腕を解放する、続けてさおりを持ち上げてペニスを抜こうとしたのだが……。
「もっと……」
「えっ?」
さおりの口から思いがけない言葉が漏れた。
Tが驚くのも無理はない、さおり自身、自分がそんなことを口走るのは意外だったのだ。
確かに体はきつい、消耗している、痛みもないといえば嘘になる、肩にも、背中にも、そしてもちろん膣奥にも……。
しかし、この先には更なる興奮と快感がありそうな気がしていて、そこへ行ってみたい、経験してみたいと言う強い思いが湧き上がっていたのだ。
言うなれば夏でも氷点下になる雪山に登る登山家……頂上を目の前にして疲れ、苦しいに違いない、そして頂上は目の前に見えているようでいて、そこに到達するには並大抵でないことも知っているはず、しかし、頂上が見えているならばそこを極めたい欲求は抑えきれない……。
もちろん、今のさおりにそんな例え話など思い浮かんではいない、しかし、気持ちはそういうことなのだ。
そして、『もっと』の一言を聞いて、一度は緩み始めていたTの硬度も再び蘇り始める。
「お願い……」
戸惑ったような表情を見せていたTだが、さおりが更に懇願すると、土俵上で見せる真剣な表情に変わって行く。
規格外のパワーを持つTだけにさおりに不安がないといえば嘘になる、しかし、どうしてもこの先へ行ってみたいという気持ちが勝った、登頂を目の前にした登山家のように……。
Tはさおりをベッドに寝かせ、仰向けで挿入し直す、そして手首に巻いた紐の輪はそのまま自分の首に……。
Tが立ち上がると、さおりは仰向けで宙に浮く、輪の大きさは変わらないが、今度は腕が前なので腕を含めた長さは長くなる、さおりの体はやや斜めになり、頭は自然と仰け反った形になる。
「突くよ」
Tは再び鏡の前まで進んで腰を使い始める。
「あうっ!」
Tもさおりの気持ちと覚悟を汲んでいるので躊躇がない、さおりは一突きで仰け反ってしまう。
「ひぎっ! いぎっ! うぐっ!」
Tの本気のピストン、その衝撃はさおりの体を波のように震わせながら伝わり、頭を激しく揺らして空中に放出されているかのよう、さおりは仰け反った体勢で鏡を見るが、揺れと眩暈で視界も定まらず、一突き毎に失神と覚醒を繰り返しているかのよう。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
さおりの体から一切の力が抜けたことを見て取ったTが吠え、今日三本目にしては破格の量の精液をさおりの中にぶちまけた……。