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優等生からの脱却
【フェチ/マニア 官能小説】

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レイナの変化-1

今から3週間ほど前のこと。
2学期の終わりを迎えたレイナは母親と学校の三者懇談に来ていた。
「テストの点数はよくなかったのですが、ちゃんと提出物を守っていたので成績はおまけしておきました。」
「先生、ありがとうございます。でもうちの子はやればできる子なんです。3学期はもっと頑張らせます。」
「わかりました。お母さんもレイナちゃんの勉強をみてあげてくださいね。」
「はい。レイちゃん一緒に頑張ろうね!」
「うん…。」

学校ではこのように“熱心で子供想いな母親”だったが、家に帰るとその様子とは違っていた。
「ほんとあんたって子は! こんな成績でどうするのっ?」
「レイナも自分なりには頑張ったんだけど。」
「頑張ってこの成績? 信じられないわ。サボってばかりでしょ。」
「ひどい!アカネちゃんに勉強を教えてもらって少しはできるようになったの。でもテストになると緊張してしまって…。」
「アカネちゃんとあんたとは全く違うの! 家庭教師でもつけようかしら。アカネちゃんは塾にも行かず全部自分でやってるのよ。少しは見習ってほしいわ。」
「お母さん、勉強教えてよ。」
「どうして私が教えなきゃなんないの? 勉強は自分でするもんでしょ。」
「さっき先生の前で一緒に頑張ろうって言ってたじゃない?」
「それはあんたが少しでも勉強するようになったらで、今の状態では無理。どうするの? 家庭教師をつけるか自分でやるか?」
「もういい。勉強いやだ!」
「やっぱりね。だからあんたはクズなの。昔はもう少し言うことも聞いてくれたのに。今ではそうやって反抗ばかり。好きにしなさい。」
「クズって…。」

母親のひどい罵声に最初は言い返していたレイナだったが、さすがに打ちのめされて絶望の状態であった。
むしろ母親への嫌悪感が一気に高まっていった。
「どうせ勉強したって成績は変わんないし、しなくてもいいよね。」
「もうお母さんは私のことどうでもいいんだから、私も好きなことしよう。」

普段は物静かなレイナだったが、母親とはよくケンカをした。
ただ今回はいつもとは違った。
仲良くしていたアカネと成績を比べられてしまったことが悔しかった。
アカネのことは尊敬している。でも、やっぱり嫉妬もしている。
自分も頑張っているのに…。
自分のことを守ってくれるはずの母親からの罵声がレイナをさらに突き落とす。
レイナはあることを考えた。

終業式が終わった後、レイナは家に帰らず寄り道をした。
アカネの家ではない。
ほかの友達の家でもない。
近くの大型ショッピングセンターの屋上だった。
好きなことをしようって考えたけど、自分が何をしたいのかもわからず、とりあえずプチ家出を始めてみたのだ。
暗くなったらどうせ家に帰りたくなるんだろうなと自分でもわかっていた。

まだ夕方5時前だが、辺りは真っ暗になり、クリスマスのイルミネーションが輝いている。
そんな中、これからどうしようかとレイナが考えていると、一人の少年が目の前に現れた。
彼の名前はタケル。アカネやレイナと同じ中学校の2年生で1つ年上だ。
学校に行かない日があったり、行っても遅刻が多かったりする茶髪少年。
授業中でも騒ぎを起こすこともあり、中学ではちょっとした有名人だった。

終業式には顔を出していたが、終わった後、さっそく髪の毛を明るい金髪に自分で染め、街をぶらぶらしていたようだ。
「おっとおまえ見たことある顔だな。たしか1年生だよな?」
「…。」
「無視かよ。」
「…。」
「おれタケル!おまえは何て言うんだ?」
「レイナです。」
「何かあったのか?」
「いや別にそういうわけではないですが。どうして?」
「そう思っただけ」

レイナは考えていた。
この人はとても怖い人。何をされるかわからない。
突然殴られるかもしれない。
今までこんな金髪の人と絡んだことはない。
学校でも悪いことで知られている人。本当は逃げたい。
逃げても追いかけてきそう。
なんで目が合ってしまったんだろう…。

でも、もしかしたらこの人ならわかってくれるかも。
だって勉強なんて絶対にしてなさそうだし。
勉強以外におもしろいこといっぱい知ってそう。
自分が今、どうすればいいのか…。
ちょっと聞いてみたい。
レイナは勇気をふりしぼってタケルに言った。
「私、家出したんです。」

タケルはにこっと笑って言った。
「じゃあ俺と遊ぼうぜ!」

レイナは黙ってついて行った。




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