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優等生からの脱却
【フェチ/マニア 官能小説】

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レイナの変化-2

タケルはレイナをカラオケに連れてきた。
部屋に入ると歌う曲を予約する前にタバコをふかしながらスマホをいじり始めた。
レイナはそのけむりにむせる。
「ごめんよ!けむたかったか?」
「うん…。」
中学2年生でタバコを吸うタケルを見てレイナは聞く。
「タバコを吸ってるのを親に怒られませんか?」
「いいや。親なんてほとんど会わないし。」
「家に帰っていないのですか?」
「俺が家にいるとき、おかんは働いているから。」

一人っ子のタケルは親が離婚し、母親がタケルを引き取った。
小学生の時は普通のサッカー少年だったが、中学生になると悪い友達ができ、夜も外で遊ぶようになった。
それでも朝明るくなるまでには必ず家に帰る。
母親も最初はタケルを注意していたが、仕事が忙しく、今ではちゃんと家に帰ってきてくれたらいいという教育方針になった。

「おまえこそ家に帰らなくていいのか?」
「帰ってもまた怒られるだけ。」
「怒られる? なんか悪いことでもしたのか? そんな風には見えないけど。」

レイナは最近の家でのことをタケルに話した。
見た目は派手で怖そうなタケルだったが、レイナの話にスマホを触りながらではあったがうなずきながら聞いていた。
レイナは自分のことを理解してくれている気がして、話す声も大きくなっていった。

「ひどい母親だな。」
「そうでしょ! レイナだって…。それなのに! あーいやだいやだ。」

ほとんど歌うこともなく、話し続けた2人。
最初はおどおどしていたレイナだったが、気がつけばタケルに自分の思ってることをすべてはき出していた。

「おまえ結構ストレスたまってるんだな。でも、さすがに今日は遅いから家に帰れよ。俺も他に用があるし。」
「えっ? もう少しここにいたい。」
「もう10時だぜ。おまえみたいな女の子が外で遊ぶ時間じゃないぞ。」
「帰りたくない。タケルくんと一緒にいたい。」
「そうか。じゃあもう少しだけだぞ。」

フリードリンクのジュースを入れに行ったときカラオケの店員が近づいてきた。
「君たち中学生かな? 遅い時間なのでこれ以降の利用は遠慮してください。」

2人は反論することなく、代金を支払って店を出た。
タケルの見た目は18歳以上でも通用しそうだったが、さすがにレイナは小学生と言われてもおかしくない風貌だからだ。

「タケルくんごめんなさい。話を聞いてもらったうえに、お金まで出してもらって。」
「別にいいよ。俺もぶらぶらしてて暇だったから。それより、家の人心配してるんじゃないか?」
「さすがにそうかも。こんな遅い時間に出歩くのは始めてだし。」
「じゃあまたな。」
「ありがとうございました。」

楽しかったひとときはここまで。
家に帰ったレイナはまた現実の世界に引き戻された。
「何時だと思ってるの? どこで何をしてたの?」
「…。」
「何か言いなさいよ! 本当に心配したのよ。連絡を取ることもできないし。」
「…。」
「本当は、悪い人に連れて行かれたのかと…不安だったの。帰ってきてくれてよかった。」

最初はかんかんに起こっていた母親だったが、徐々にレイナが帰ってきたことへの安堵感から優しい言葉に変わっていった。
すると、レイナはこれを利用してあることを提案した。

「お母さん、ごめんなさい。」
「どうしたの?」
「知らない人に追いかけられて逃げているうちに道に迷ったの。気づいたらどこがどこだかわからなくなってた。」
「そうだったの? 先に本当のことを言ってくれたらよかったのに」
「ごめんなさい。」
「とりあえず警察には届けておきましょう。」
「えっ? もう大丈夫。ほとんど顔も見ていないし。大丈夫だよ。」
「でも心配だわ。」
「大丈夫!」
「そうかしら。わかったわ。明日から冬休みだから、また同じようなことがあったらすぐにお母さんに言うのよ! いいわね。」
「うん!そうする。でも、すぐに連絡をとれるようにスマホがあればうれしいな。」
「そうね。ちょうど冬休みだし、明日にでも買いに行こうかしら。」
「うん!お母さんありがとう。」

(やったー!実はスマホが欲しかったんだ。うまくいった!)


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