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デスカンパニー
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デスカンパニー3〜魔都・業使都〜-1

窓に映るはずの自分の姿がない。
部屋に転がっていた鏡を持ち上げて確かめた。
鏡は後ろの壁を鮮明に映してはいるものの、東城の姿はなかった。
激しい頭痛に倒れこむ。
頭が割れるように痛い。
だんだんぼやけていく意識。
東城の意識が薄らいでいった。
そう、東城が東城であるという自覚全てが奪い去られてしまったのだった。

倒れこんだ東城をデスカンパニーの社員二人が担いで連れ去った。

………
目を覚ますと見覚えのある場所に東城はいた。
それがどこなのかは思い出せない。
東城はデスカンパニーの社内につれてこられたのだった。
7階。CPルーム。
カンパニー重役の小倉が東城の前のソファに深々と腰を降ろして葉巻に火をつけた。
「東城くん。
いや、君は今日からNO.0088だ。
NO.0088、君の自我は剥奪させてもらった。
まぁこんな事を言っても
今の君じゃ理解できないだろうが、
デスタイマーが示した通り、君は一度死んだ。
今までのしがらみは全て排除させてもらった。
何も思い出す必要はない。
死を扱う上で、余計なデータは邪魔だからね。
これから、君に任務を与える。
NO.0088、業使都へ行って任務を果たしてくるのだ。詳しくは業使都の社員に従うように」
業使都は内乱治まらない乱れた街だ。
都市中心部はスペードと名乗る宗教集団に占拠され、呪術により街を支配していた。
繁華街では、奴隷が売られ乱れた街の一端を露呈していた。
スペードは呪咀により、政敵を抹殺しデスカンパニーとは対立の溝を深めていた。
南にはノイズという怨霊を操る組織があり、スペードと覇権争いに没頭していた。
デスカンパニーは、スペードとの直接的な接触を避けこの街の命の与奪を天秤にかけていた。

東城は出立の前に、
脳内にICチップを埋め込まれ、
業使都のデータをシンパクローザというチップから引き出していた。
業使都のデスカンパニーに着き、中へと入る。
5階の会議室へと通された。
そこで待っていたのは、
業使都の堕天使と異名を持つシュガーという名の社員だった。
「NO.0088、本部から連絡は受けている。
さっそく任務だが、スペードの魔狩という男が奪ったNO.0024の魂を
このデスキーパーに納めて帰還するように。」
それだけ言い残すとシュガーは消えていった。
スペードの魔狩。
単独でスペードの本隊への潜入は危険極まる。
特に魔狩は、奪い取った7つの魂を自らの精神の基盤としている。
7つの魂のうち一つはデスカンパニー社員のものだった。
チップとともにNO.0088は
デスカンパニーに使役する使い魔・韋駄天が入ったカプセルをもらった。
韋駄天は太古の神をモチーフに創られたREAL CGであり、人智を越えた速度で移動できる能力を持つ。
召喚できる回数は3回。
スペードまでの道程は遠く、
移動に一回。
魔狩りとの戦闘で一回。
帰還に一回。
と計算されていた。

エントランスを出てさっそく韋駄天を召喚してみた。
「我は韋駄天。死を司る者よ。
汝を彼の場所まで導かん。」
韋駄天は光を放ち、NO.0088を包みこむ。
高速に息すらできぬ状況の中、気が付くと都市の中心部にいた。


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