記憶-1
朝になった。
ちづるが目を覚ますと、
隣でタクミが寝ている。
時計を見ると8時だ。
遅刻だと思い一瞬、焦る。
「 っ!
、 、ぁ。」
ぁ 焦った
今日
土曜 か
「っ はーー、、、 、 ?」
布団の中の、自分の身体を見る。
上半身だけパジャマを着ている。
下半身は、
パンツも履いていない。
昨日の事を思い出そうとするが、
まだ眠気が覚めない頭で
ぼんやりしている。
うまく思い出せない。
「 ? ?
、 、 、、。 」
タクミ君
上だけ 着せてくれたのかな
あれ? タオル 、、
「、 、 、、ぇ ? 」
あれ?
なんか
濡れて
「 っ !? 」
一瞬にして眠気が覚めた。
お尻の下にバスタオルが敷いてある。
そのタオルが少しだけ、
濡れていた。
上半身を起こして座り
再び昨日の事を思い出そうとする。
しかしやはり、思い出せない。
自分が沢山イッて、
泣き出してしまった。
それ以降の記憶はいくら
探してもなかった。
「、、 〜っ 〜っ 」
ちづるは、
タクミの顔を見つめながら
そのバスタオルを持ち
ゆっくり動いて立ち上がる。
脱衣所へ行き風呂場のドアを開けると
洗面器にそのバスタオルをいれて、
それにシャワーで水を入れる。
洗面器の水を見つめ、
ぐるぐると考える。
「、 、っ 、、」
ぇ、、と 〜っ
落ち着いて 考えなきゃ !
タオルを 敷いたのは
タクミ君 だよね?
なんか、出ちゃったから
タオルを敷いた 、、?
それで
パジャマを上だけ
着せてくれた ?
だって
いつもなら
パジャマは上下
着せてくれる
、 、 、、駄目だ
どうしよう 〜っ
思い出せないっ !
ちづるは、
水の溢れる洗面器を見て
ハッとしてシャワーを止めた。
「、 、 、、出たのは 、」
潮、、 ?
まさか
まさか !
まさかっ !!
「 寝てて、、? 」
〜っ 違う!
それだけは ないはず!
やっぱり
うん 。
そうだよ
エッチ してたんだから
エッチしたから
出ちゃったやつは
「潮、だって、、、 」
でも
じゃあ
どうして記憶が
「おはよーー。」
「 っ!!? 」
「 ? どしたの?」
「いつから、いたの!?」
ちづるは慌てて、
風呂場のドアを閉めた。