寂しさ-1
タクミが少し考えた後に言う。
「縛って、、いーい?」
何をしたら 俺は
安心 出来るんだろう
「 え? 、 、、、。」
「 嫌?」
「っ、 〜っ ぅうん、、。」
「、、。
じゃー、下に座って?」
「、 、 、、、」
タクミはちづるを促すと、
ソファーの下のじゅうたんに座らせた。
ちづるに万歳をさせて、
両手首を首の後ろの位置で、
ソファーの肘掛けにくくりつける。
縛っている時、
タクミの顔が近くにあり、
じっと見つめる。
さっきタクミが言っていた
寂しい、という言葉が頭から離れない。
自分のせいだと言っていた。
つい、理由を探す。
「、 〜っ、 タクミ君、」
「 ん?」
タクミはネクタイでちづるを
縛りながら耳を傾ける。
「、 、、タクミ君が、
寂しいのは、、 私が 」
「結婚してるから。
じゃ、ないからね?」
「 ぁ。」
違った
、 、、じゃあ
「、、吉川さんの事?」
「、、それもあるけど。
それだけじゃないよ。」
「 ? 、、、。」
結婚してる事じゃなくて
吉川さんの事、だけじゃない?
、 、じゃあ
なんだろう
タクミ君の寂しくなる 理由
やっぱり 年齢かな
「、、やっぱり、 ねん」
「別に、、いいじゃん。
さっきも言ったでしょ?
俺の勝手だよ。
っ はーー、出来た。」
「、 、 、、。」
「、 、 、 、、。」
タクミがじっとちづるを見つめる。
何かを考えている様子だが、
タクミの考えている事が
さっぱり分からない。
タクミはそっと手を伸ばし、
ちづるの頬を撫で始めた。
しばらく黙って撫でていると
タクミがぽつりと言う。
「始めて縛った時の事、
覚えてる?」
「 ぇ?」
「俺が、シャワーしに行って。
戻ったらちづちゃん、
凄く怖がってた。」
「 ん、、ぅん。」
「足首真っ赤になっちゃって、
ここのじゅうたんに
漏らしちゃってさぁ。」
「、 、 〜っ、、」
「その後、エッチして。
その時に言った事覚えてる?」
「 ? その時に ? 」
言った 事?
「俺が、悪い人で
小型のカメラとか持ってたら
どうしようって、、、。」
「 ぁ 。」
覚えてる
あの時
タクミ君の事
まだよく知らなかったから
疑って
疑う気持ちが止まらなくなって
凄く 怖かった
「、、ん、 。
あの時は、まだ、、
分からなかったから。」
「何を?」
「タクミ君の事、、。」
「、、、。」
「今は、ちゃんと
知ってるから。」
「、、、 どうかな。」
「 ぇ?」
「、、キスしていい?」
「 ぇ ぁ。 〜っ」
タクミはちづるにキスをする。
すぐに舌が入ってきた。
ちづるは身動きが取りづらいせいか、
少し苦しそうに悶える。
タクミは「脱がすね。」と言い
ちづるのズボンを脱がせた。
しばらくの間、
キスをして胸を揉む。
ふと、キスが離れる。
タクミは責めるような、
それでいて寂しそうな目で
ちづるを見つめる。
そのまま立ち上がると
ちづるに背中を向け、
畳んである自分のGパンの近くで
腰をおろす。
ちづるは、
タクミが何をしているか分からず、
タクミの背中に話しかける。
「、 、、タクミ君?」
「、 、、、。」
「 ぇ? 」
「、 、、、。」
振り向いたタクミの手には、
スマホを持っていた。
ちづるの前でしゃがんでいるタクミは
冷たい目で、
ちづるに静かにこう言った。
「撮ろうか。」
「 ぇ? 」
撮ろうか って?
何 を ?
え ?
「ちづちゃんを。 だよ。」
「、! 、 、 、、。」
「 いーい ?」
「 、、、なんで ?」
「、、、なんとなく。
可愛いし、撮りたいだけ。」
「、 、 、、。」
「 駄目なの?」
「、 、 、〜っ 、、
、 っ 〜っ
〜っんっ うん、、
出来たら 〜っ 、、
撮らないで ほしい 〜っ」
「、 、 、、。」
真っ青
過去の事
思い出してんのかな
ストーカー男に された事
「そっか、、。
でも、俺、、 撮りたい。
もし、撮ったら 、 俺の 」
「〜っ ? 〜っ
は っ はぁ、、 、」
「寂しい気持ち 。
もっと、ちゃんと、、
なくなるかも。」
「っ ! 〜っ 〜っ、、っ
はぁ、、、 はぁっ 」
「、 、、、、。」
2人は
見つめあったまま黙った。
ちづるは動揺し、
息が少しづつあがっていった。