っ-1
啓の手が私をなでまわす。
優しく、壊れモノを扱うようになでまわす。
心のひび割れた部分を修復するように、優しくその部分を探し出す。
両手を私の頬に当てて
そのままゆっくりと自分の方に引き寄せた。
スローモーションのように重なり合う唇に
これまでの思いを巡らせる。
勢いでキスをしている訳じゃない。
優しい優しいキスをされて
それ以上が欲しくなってわずかに唇を開けば
それを待っていたかのように啓の舌が割り込んできた。
「ん・・・っ」
ゆっくりと侵入してきたそれは、次第に奥まで到達すると
ぐるりと口内を舐めつくした。
啓の手が服の上から胸を触る。
始めは遠慮がちに。
私たちはもう、6年も毎日顔を合わせている。
同じ部署で働いて
週に何日も飲みに行く。
それでも、お互いに入りこめなかったプライベートな空間に
今、お互いにお互いを引き寄せる。
「ああ・・・・ぁぁ・・・・っ」
服が手の中に入ってきて、ブラを押し上げた。
そっと羽根のように触るその手は
私の胸の上で円を描く。
その気持ち良さに、私が啓の口内に舌を差し入れた。
小さな音とともにブラのホックが外されて
トップスごと脱がされた。
「慣れてる・・・」