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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「男と女なんてそんなもんだ」
「・・・・」
「ひとなでされて感じなきゃ男と女にはなれねぇよ」
「・・・・」

「ぎゅっとされてドキドキするならさっさと抱かれちまえ。
たかがセックス、されどセックスだ。
抱かれなきゃ分からない事もある」

そう言いながら、椅子から立ち上がった。

「明日香が啓を食べちゃえ」

紗江子ちゃんも笑いながら無責任なことを言う。

そんな時、
お店のドアが開いて、ネクタイをゆるめながら啓が入ってきた。

「まだ飲んでるか?」

急いできたのか、息を切らしながら私たちのテーブルの前に来て
そんなことを言うから
私たち3人は啓の顔を見て笑った。

「何?何か可笑しいか?大将ビール1つ」
「はいよ」

そう言って席を離れる大将が
「森川、気をつけろよ。女は怖いぞ」
そう言って啓の肩をぽんと叩いた。

「何?何の話?」
「啓は明日香の事好きなんだな〜って話し」
「はぁ?」

「明日香も啓が好きなんだな〜って話し」
「ちょっと!紗江子ちゃん!」

「さ。啓!早くそのビール飲んじゃって!帰るわよ!」
「え?帰るの?」
「そうよ。ツカサが勉強頑張ってるのに私たちが遅くまで飲んでいい訳ないでしょう?」
「はぁ?」

「さ。飲んじゃって!明日香を送ってて」

紗江子ちゃんはそう言ってウインクした。



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