待ち合わせ-1
2月中旬を過ぎた、日曜の朝。
今日はタクミと
外でデートをする予定だ。
ちづるは、
何を着て行こうか直前まで悩んだが、
結局真っ白のニットに、
青いスカートにした。
朝9時、髪をコテで巻く。
巻いた髪をハーフアップにする。
脱衣場の鏡の前で、
熱心に髪型を整える。
ピン止めを使い、もう1つの手鏡で
後頭部を映しながら、それを
脱衣場の鏡にも映し出し
バック姿を確認する。
「んーーー、、 、」
オッケー かな
あ、 。
そうだ あれつけよーっと
部屋に置いてある
アクセサリーケースから、ピンクの
髪飾りを取り出す。
脱衣所に戻ると、それを髪につける。
ふと、思い出す。
夏に、足の怪我をして
タクミに助けてもらいそのお礼として
この家にご飯を食べに来た時の事。
「、、もう、冬かぁ、、。」
あの日も
この髪飾り つけたっけ
あの時は まさか
こんな風になるなんて
思わなかったな
半年近く、
タクミ君と付き合った
でも、 、 、、
少しづつ タクミ君は
私に飽き始めてる かも
タクミの態度を思い出す。
最近、時折見せる冷静にちづるを
見つめる 目 。
フェラの時に、アダルトDVDを
つけた理由を考えても、やはり
自分に飽き始めてるから、と、
考えると全て納得がいく。
今回のデートも、タクミの
偽りの願いなような気がしていた。
ちづるは思う。
別れ話出来なかったから、
咄嗟にデート、って
言っちゃった感じするし
でも
『じゃあ、してよ。
結婚。 』
なんであんな冗談、 、、
「、、、ぅーーーん、、 」
考えても 分かんないや
とにかく !
まだ せっかく
一緒に居られるんだから
楽しんじゃおう
「うんっ!」
ちづるは鏡の中の自分に
そう言い聞かせた。