香水-1
「はぁっ、、。 」
2月中旬。
ある日の夕方、自宅で
ローターをポーチにしまいながら、
茶色のソファーの上で
ちづるはため息をついた。
タクミの言葉を思い出していた。
『 抱きつかれた事、
考えてオナニーする。
ちづちゃんは、絶対に、しちゃう。』
「、 、 、、。」
しちゃっ た
一昨日もしたから、2回 も
でも
でも!!
こないだまで
生理だったんだもん
エッチも 出来なかったし
それに
先生の 匂い、 、、
ちづるは思い出す。
新宿で、先生とバーに飲みに行った日。
先生は、
昔つけていた香水の香りがした。
ちづるが高校生の時、聞きたくて、
聞けなかったあの香り。
先生と新宿の駅で待ち合わせをして
会った瞬間にすぐに分かった。
高揚する気持ちを抑え、
先生に思いきって聞いてみた。
「先生、いい香りしますね。
どこの香水ですか?」
やっと 聞けた
私 変な言い方に
なってないかなぁ
先生のつけていた香水は、
高級ブランドの香水だった。
昔先生が新婚旅行に行った時、
旦那がプレゼントしてくれたの、
と、語っていた。
ちづるは思う。
高校生じゃ、
このブランドの香水は
見つけられない か
でも 聞けて良かった
ちづるは新宿からの帰りの電車で
すぐにスマホで、その香水を調べた。
そのブランドのショップがT駅にあった。
早速、翌日にその香水を買った。
自分の職場が飲食店の為、
つける目的で買ったものではなかった。
どうしても手元に、
その香りを置いておきたかった。
気がつくと、その小瓶の匂いを嗅いで、
先生を思い出しオナニーをしていた。
2度目のため息をつく。
「っ、はーー、 、、、。
、、でも さ 」
頭の中の 想像の事 なんて
やっぱり
バレるもんじゃないような
気がする
『 ちづちゃーん?
前に、言わなかった?
ちづちゃんは、下手なんだよ?
嘘つくの。』
前にタクミ君に 言われた
私は本当に
嘘つくの
下手なの かな ?
「ぅーーーん、 、、」
オナニーが終わったちづるは、
お風呂に入る。
湯船に浸かりながらも考え続ける。