おんな同士-1
ヴィットリヤとマーヤの仲は、日を追うごとに険悪になっていった。それが聡真一人のせいであったとは言い切れないだろう。ヴィットリヤは、まだ自分には無いマーヤの体の女らしさや女らしい心の動きが、下品に憎らしく思えた。一方、マーヤはと言えば、女に成り切ってもいない癖に聡真を惹きつける子供のヴィットリヤが生意気に思われてならなかった。
そのあいだにあって、聡真は、身も心もますます健康になっていった。小学生の少女の明るい心に温められ、その指にほぐされた。命の漲る女子高校生の体全部が聡真の体に食事のようだった。健康に支えられた聡真は、読めなかった本も読破し、早朝にさえ起きて授業の準備に励むことができた。
ある日曜日の午後、聡真の部屋に前触れなくマーヤが現れた。折しもヴィットリヤがいて、聡真の顔に裸の尻を乗せ、指先で男を慰めているところだった。
マーヤはわざと時間を見計らって来たのだったが、裸の二人を目にすると、胸は怒りに燃え上がった。
「いやらしい子供ね。」
憎々しげにマーヤは、聡真を見ずヴィットリヤだけに毒づいた。ヴィットリヤは憮然としてマーヤを見返したが、何も言わなかった。一度聡真から身を離すと、マーヤに見せつけるように、ゆっくり姿勢を変えて聡真を体に差し込んだ。
マーヤが服を脱ぎ始めた。少女の青臭いにおいから自由になった聡真の鼻を、すぐに、若い女の汗の香りが喜ばせた。聡真は、この異様な光景に内心戸惑いつつ、いつもの通り、流れに任せることに決めた。
全裸になったマーヤが真っ直ぐ近づいてきた。マーヤは小柄でもよく均整の取れた体つきをしていた。しかし、ヴィットリヤはまず
「なんか部屋が臭くなった。」
と言い、目の前にマーヤが来ると、聡真と腰を合わせたまま
「みっともない体。」
と真向かいに言い放った。
ぱんと響いた音は、マーヤの平手打ちだった。
「自分じゃほんとは何にもできない子供が。家族でうちの世話になってる癖に。」
狭いヴィットリヤの中が緊張で縦にも短くなり、聡真は折り潰されるかと恐れたが、少女は引き抜いて立ち上がった。
乳房を叩き返され、ぎゃっと悲鳴を漏らして屈んだマーヤをヴィットリヤは突き飛ばした。マーヤが脚を開いて倒れると、ヴィットリヤは踵で女のところを踏みつけた。しかし今度はマーヤがその足首を掴み、少女を引き倒した。明るい金髪を両手で左右に引っ張られて、二、三度、少女の頭が床に当たりながらぐらぐら揺れ動いた。
「おい、やめろ。」
見かねた聡真はそう声をかけたけれども、声は小さかった。自分が責められない限り、珍しい見ものになりそうな楽しみを感じている自分に気づいていたのだった。
二人のはだかおんなの、泣きながらの取っ組み合いが続いた。所どころ搔かれたマーヤの乳房は破れて血が流れ、股の毛が毟り取られた。さんざん殴られたヴィットリヤの綺麗な顔は青く腫れ上がった。
力一杯乳首に噛み付かれて逆上したマーヤは、一瞬、痛みに我を忘れたようになった。そして子供の鼻を拳で殴りつけた。鮮やかな色どりで噴き出す鼻血と共に、すとんと崩れて少女が座り込んでしまったとき、聡真はいよいよ止めに入った。
泣いている女たちを仰向けに並べて寝かせた聡真は、交互に全身くちづけして慰めた。歳の違いが改めて、味とにおいとから聡真に確かめられた。女たちが高まってくると、四つ這いにさせて、交互に突き入れた。三人の体は、水っぽく混じり合い、一つになった。