金曜日 3-2
タクミの腰の動きが止まる。
ちづるは、タクミがイッた事に
気がついていなかった。
タクミは、片手で自分の額を支え
うつむいて、大きくため息をついた。
「っ、はーーーー、、 、」
、 、、、また かよ
っつーか、
あそこで 腰振るの
反則だって 。
あぁ、 、、
また か 。
腰降り始めて 何分 もった?
もーーーー
嫌 。
「タクミ、君、?」
「 、、んー?」
「 ? 、、終わっ、た 、の?」
「、 、 、 、 、、 」
はい 。
そーですよ 。
すみませんね 。
ちづちゃんが、あそこで
腰振らなかったら
もーちょっと もったのに 。
「、 、 、、。
ななみちゃんの事
考えたら イッちゃった、、。」
「!! 〜っ、、〜っ、」
「、 、、嘘だよ。」
「、? 」
「考えて ないよ 。」
「、ぇ? 」
「、、最初から、、、」
「、? 、、? 」
タクミは、
ふてくされ気味の声で言う。
ちづるから自分のモノを
引き抜いた。
コンドームをゴミ箱に捨てて、
ちづるに背中をむけて、横になる。
ちづるは、
タクミの背中をじっと見る。
「 ? 、 、、 、、」
嘘 ?
考えないで くれた ?
そんで 今、 、
なんで、不機嫌なの ?
? 、 、 、、 、
、 、 、、 あ、 。
もしかして
早くイッちゃったの
気にしてる 、 、?
ちづるは、じっと背中を見つめる。
タクミはまた、ため息をついた。
あ、 やっぱり、 、
背中で 分かる。
気にしないで、とか、
声かけたら
余計、落ち込んじゃうかな
「タクミ君、、、」
「 んー?」
「、、、。
背中に、くっついていい?」
「、 、、うん。」
ちづるは
自分の額をタクミの背中にくっつけた。
タクミの背中が温かい。
上半身全体も、くっつける。
しばらくそのまま動かなかった。
タクミが静かに言う。
「 俺 、早かった。
、、、、ごめん。」
「 え? んーん、、
いーの。」
「何が、いーの?」
「んーー? だって、 、、
、、ふふ、 、、」
タクミ君が
前に言ってた
男の良さ 。
今、分かったよ
こんな風に
愛しく思える人の背中に
くっついていられるのって、
幸せ 。
ちづるが幸せな気持ちで
くっついていると、タクミが言う。
「バイブ、入れよっか ?」
「んーー? いい。」
「、、なんで?」
「このままで、いーの。」
「、、なんでよ。」
「満足、したから。」
「 は、? イッてないのに、
何が満足なの?」
「前にタクミくん、
言ってたでしょ?
エッチの余韻に浸ってるの。
、 、、ちょっと、浸らせて。」
「、、、イッてないなら
余韻になんて、浸れないじゃん。」
タクミはゴソゴソとちづるの方を向く。
「、ぁ 、、」
あーー 背中、
もっとくっついていたかったのに。
ちづるはタクミの顔をみて、
ふっと笑って言う。
「、、、寝よっか ?」
「ぇ、? イッてなのに、
寝れなくない?」
「んーん、 、、
寝れるー
なんだか、 、濃い、 、、
3日間だったから、 、 」
「濃い ? 」
しばらくすると、
ちづるは本当にウトウトしてきた。
タクミは黙って眺めていたが
ふと、気がついてちづるに声をかける。
「、、、ちづちゃん。
寝るならパジャマ、着ないと。
寒がりなんだからーーー」
「、、ん、 、、」
タクミはちづるのパジャマを、
ちづるの頭に被せる。
ちづるは、眠そうに腕を通す。
パンツとズボンは自分で履いて
そのまま眠ってしまった。
タクミはしばらく天井をみてボーッと
していた。
早くイッた自分が情けなくなり
また、ため息をついた。
そのまま、タクミも眠った。