木曜日 3-2
ふと、タクミは思い出す。
元カノの、りさの事。
2つ年上の同じ高校の先輩だった。
付き合って半年した頃だった。
りさが話がある、と、タクミの家に来た。
同じ高校の、ある女の子と話をしないで、と、りさはタクミにお願いをする。
それは出来ない、と、タクミは言うが、りさは納得しない。
最初は静かに話し合っていたが、
りさは、どんどん感情的になってゆく。
「だから、!
小百合はタクミの事、好きなの!
昔から狙ってたんだよ!」
「、 、、 」
「なんで、口聞いたり、
仲良くしたりするの!?
ねぇ、、
私の気持ち、分かる!?」
「、 、、。
でも、話かけられて、
無視するとか
、、出来なくない?」
「は!? なんで?」
「、 、、なんでって、、。」
「私達、付き合ってるよね!?」
「、、うん。」
「私の事、本当に好き?」
「好きだよ。」
「じゃあ、、っ、
ちゃんと、! してよ!!
タクミがそんなんじゃ、、
あたし、ずっと、辛いままじゃん!」
「、 、、 、。」
2人はしばらく沈黙する。
タクミは、小さくため息をついた。
「、、 、、ぇ、?
ねぇ、 、、なにそれ、、 、
今、ため息ついたよね?
私の事、おかしいって、
思ってんでしょ !?」
「そんな事、
言ってないでしょ?」
「そんなの、っ、、
言わなくたって分かるよ!
タクミ、っ、アタシの事、
馬鹿にしてるよっ!」
「、 、、してないよ。」
「してるよ!!
私の辛さなんて、っ、 、、
分かろうとしてくれないじゃん!!」
りさは、ベッドの枕元に置いてあった
タクミのCD を、
思いきり壁に投げつけた。
カシャン!!と、勢いよく飛んだCDは
壁に当たった瞬間、ケースに大きなヒビが入った。
ケースの破片がタクミの足元に落ちた。
タクミが辛そうに言う。
「ねぇ、こういう事、 、、
本当、 やめてよ、、。」
「、っ、! タクミが、 、
させてるんだよ、っ、〜っ、
うぅ、、んっ、んん、、んっ、」
りさが泣き出す。
タクミが、涙を拭おうとほっぺに触ろうとした。
りさはその手を振り払う。
泣きながら、静かに言う。
「約束、、して っ、〜っ、
もう、小百合と口きかないって、、」
「、、、出来ないって、、。」
「、!、タクミは、〜っ、
、っ、自分の事だけが、、
〜っ、大事なんだよ!」
りさは、そう言うと部屋を出ていった。