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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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木曜日 3-3

タクミはりさが出ていった後に
大きくため息をついてCD を拾う。

ヒビの入ったCDを拾うと、それを見つめながらベッドにドサッと座る。
そして、考える。

 りさちゃんの事 好きだけど、
  俺が他の女と口聞くだけで
  りさちゃん、苦しむなら、、

  別れるしか ないのかな。

  俺だって ちゃんと、
        好きなのに。

 なんで 
    ああいう風に、 、、

  感情的に なるんだよ。

 女は 皆 そうなのか ?


自分の母親を思い出す。
小さい頃、母親は男と何かある度に、
家の物を投げて泣き出していた。
小さい頃は、それがただ怖かった。

タクミが中学生になっても、
母親は変わらなかった。
変わったのは、タクミの方だった。
 
ある日、ふと気がつく。
泣いて物を投げる母親を見て、
冷静に、こう思う。

  悪い人間じゃない。

  ただ  少し 

   頭が 悪いだけ か 。

そう気がついても母親を、
特に嫌いにはならなかった。
ただ、哀れに思えた。

りさと喧嘩をした2日後、
タクミはりさに別れを告げた。
別れた後、りさは、よりを戻そう、タクミの事を許すから、と、言ってきた。

 タクミはそれを断った。

過去に、付き合った女が
感情的になればなるほど、
タクミは冷静になっていった。
どうすれば、
相手に冷静になってもらい、
お互い、よりよく付き合っていけるか。
分かってもらう為に、まず自分が、
冷静になる。
そんな事が、度々あった。


再び、ちづるの寝顔を眺める。

「、 、 、、 、。」

 なんか懐かしい事、
   思い出しちゃった。


「、 、 、、ぁ 」


   そうだ  俺 

 付き合う女とか 親に
    穏やかさを 求めてた 。

 ちづちゃんは 
    穏やかな人 だよな。 

 常に 
 穏やかに過ごそうとしてるのに。 

 俺は なんで 
    それを感じると

  壊したく なるんだろう。

  傷つけたく なるんだろう。
 

 ちづちゃん、分かってるかな。

 俺が、ちづちゃん傷つけて
 俺が、その傷、舐めてるだけって。

 そんで、その事 少しも
    後悔してないんだよね。


「病んでるのかなぁ? 俺 。

      んーー ? 」

タクミは指で、ちづるのほっぺを撫でて、しばらく寝顔を見つめていた。

そのままウトウトしてきて
タクミも眠った。


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