消えた真田竜彦-9
若菜はニヤリと笑う。
「てな訳よ。凄いでしょ?吉成ちゃんの前では嘘つけないよ?みんな見透かされちゃうから。」
すると吉成は頭を掻きながら言った。
「みんなじゃないですけどね。」
「えっ?通用しなかった人、いるんですか??」
結衣が言った。
「ああ。若菜さんだけは読めなかった。」
一同が一斉に若菜を見る。すると自信満々に胸を張る若菜。
「私を読もうなんて100万年3か月早いのよっ♪」
髪を掻き上げる若菜。吉成は苦笑いする。
「だいたいさぁ…」
吉成は若菜を読めなかった訳を言おうとしたが若菜に遮られる。
「まー、いいじゃん、どっちにしろ読めなかったんだからさー。」
「で、ですよね…」
吉成は訳を話すことをやめた。
「とにかく若菜さんは特殊だよ。どうしても読めないんだ。」
その一言がやはり若菜は只者ではないんだと、さらに大きく見せた。
実際はこうである…。
「上原さん、オナニーしてますね?」
「うん。良くするわ?暇さえあればいつでもどこでも。だって気持ちいいんだもん。」
「そ、そうですか…。ゆ、指派ですか?玩具派ですか?」
「場合によるわね。ほら、ハイブとか大きな声出しちゃうから一人の時しか使えないしさぁ。だから出張の時は必ず持ってくかな。バイブとローターは。」
「そ、そうですか…。」
「あ、だからって夫婦関係が冷め切ってる訳じゃないのよ?まー子供もいて一応親と同居してるからいつでもって訳にはいかないけど、する時はメチャクチャになるぐらいにセックスしまくるし、旦那がムラムラした時にはお口でしてあげてるしね。ま、セックスとオナニーは別物だからね♪アハハ!」
「…」
「ところで吉成ちゃんは彼女いるの?」
「い、いませんが…。」
「じゃあ風俗三昧?」
「いやぁ、金はあるんですけど暇が…。」
「じゃあシコシコ大将ね!」
「し、シコシコ大将って…」
「まぁ恥じる事はないわ?オナニーは神様が与えてくれた素晴らしい人間の特権だからねっ。何も気にせずシコシコすりゃいいのよ!ねっ?」
そう言って肩を叩かれ励まされた。
何はともあれ若菜は吉成が全く読む事が出来ない唯一の人間なのであった。