嗤う女-1
「本当に、すみませんでした。嘘じゃないんです!俺、あんなことをするつもりはなかったんです。操られたみたいに、体が勝手に……本当です!」
電気も回復し、男は自分の部屋で頭を下げた。このまま訴えられたら卒論どころではない。
卒業も、仕事も、友人関係もすべてがパーだ。両親のことを考えると涙が出そうになった。
女は素肌に浴衣をひっかけたまま、熱っぽい目で男を見ていた。露になった乳房を隠すこともしない。
「お客さん、なんでこんな辺鄙な宿に来たの?」
不意にそんなことを訊く。
「おしの、洞のことを調べて……」
「どうしてあんな洞を知りたいの?」
「卒論で、書こうと」
「そう。じゃぁ、あたしが話してあげる」
女はその場に跪くと浴衣を開き、男の首に腕を回した。
「あ、あ、あの……」
「いいんですよ。あんなこと、あたしは何とも思ってませんから。ほら、お客さんだってまだ足りないんでしょ?」
そう言いながら男根をさすり出した。
男から声が漏れる。女はそれを口に含みゆっくりと顔を上下させ、大事なものでも扱うように丁寧に舐めた。男はたまらなくなって目を閉じた。柔らかな布で包まれているような感触だ。
「あたしも、ほら」
足を開くと、ぱっくりと開いた肉裂があった。毒々しく赤い、南国の花のような。
男は彼女に覆いかぶさると丸い乳房を掴み吸い付いた。あの部屋で嗅いだ甘い匂いがした。服の上からではわからなかったが、豊かな乳房は片手では覆えないほどだった。木の実のように硬くなった乳首を舌先で舐めては吸い、また舐めた。
「女は久し振りなのね。あたしは逃げないから、好きなだけ抱いて。おしの洞のことを聞かせてあげるから」
充分に乳房を味わった男は、舌をそのまま体の下へと這わせて行った。
「おしの洞はね、人の名前じゃないの。おし、話せない人のこと。あの子は村人からそう呼ばれていたの。名前がなかったものねぇ。あれとか、おしとかそんな呼ばれ方」
水の中で聞いているような、曇った声を聞きながら男は夢中で女を貪った。ふっくらとした太ももを開き、ゆっくりと唇をつけた。
じゅっとクリトリスを吸ったあと、舌を割れ目に差し込んで舐め続けた。鼻も口もまるで女のそこに吸い込まれたように押し付けながら、顔を左右に振り更に奥まで舌を伸ばした。
「あの娘はね、昔、すごく昔、この村に流れ着いた女が産み落とした子。大きく膨らんだ腹を抱えた女はこの村で力尽きて死んだの。川で水を飲もうとしたのか、川に顔を浸けたまま死んでいたわ。村人が見つけた時には体が硬くなっていたから、やっかいなことになる前にそのまま川に流そうと動かした時、死んだ女の腹が動いて赤ん坊が生まれたの」
そんなことがあるのか?と思ったが、話は上の空だった。男は今、セックスすることだけに集中していた。女を四つん這いにさせると尻を開き、懸命に舐めた。後ろから乳房を掴むと、ずしりと重みを感じた。柔らかい肉は噛みつきたいほどだった。
陶器のように滑らかな背中を舐め回し、裂け目に指を差し込んで小刻みに動かすとびちゃびちゃと淫猥な音がした。
「村人たちは驚いた。死んだ女から赤ん坊が生まれるなんてね。しかもその赤ん坊は泣き声を上げなかった。そのまま口を塞いで母親と一緒に流してしまおうかと相談していたら、この土地の地主が待ったをかけたの」
「どうして?」
「お情けだったのかしらねぇ」
二人は互いの股間に顔を埋め、愛撫しあった。じゅるじゅると、他に客がいたら聞こえるほどの音を立てて女はフェラを繰り返した。女の秘部からも、温泉が湧き出るように後から愛液がこぼれ出す。
「お、俺もう、出る」
「いいよ。出して」
その声が終わらぬうちに、女の口に出してしまった。
「すいません、俺、こんなこと」
「いいの。ねぇ、もっとしよう。できるでしょ?」
女は再びしおれた男根を口に含んだ。若いそれはみるみる起ち上がる。男は彼女を仰向けに押し倒し、唇を強く吸った。
乳房に食らい付くように吸い付きながら、割れ目をまさぐる。
「話を続けるね」