第五章-2
翌五日は合唱部の練習もあったためか、数学のお勉強はなかった。
そして次の六日、泉美が私の頭髪検査を行った。きちんと定規を当てて髪の長さを測るのである。
「ふうむ。一ヶ月でだいぶ伸びたなあ。後ろ、横、前、それぞれ二センチずつ切って来い。明日までに切って来なかったら、私がハサミで滅茶苦茶に切ってやるからね」
「ひっ! 必ず切って来ます」
その日の帰り、私は閔行の私の行きつけの美容院へ行った。ショートボブにした徐家滙の美容院とは違う。そこは小学校時代からの行きつけの店で、スタイリストともすっかり馴染みになっていた。
「彩香ちゃん、どうしたの、その髪? あれほどロングが好きだったのに」
「いえ、ちょっと気分転換に。今日も全体に二センチずつ切ってください」
「これからもずっとこのショートボブを続けるの?」
「いえ、それはわかりません」
(すべて泉美様の管理に任せてありますので)
極端な話、もし泉美が丸刈りにしろと言ったら、私は丸刈りにしなければいけないのだった。
七月二十一日から学校は夏休みに入った。そして私は夏休み中も、毎日泉美から、下着にいたるまで服装を管理され指定されることになっていた。
二十七日から杭州の西湖にある桃園女学院の西湖学寮で合唱部の夏合宿が行われた。合宿中は、服装や下着をしっかり管理されていること以外には、数学のお勉強は特になかった。三十一日の夜の打ち上げコンパまでは。
打ち上げコンパは夕食を兼ねて七時から始まった。中学生や高校生は本来お酒は飲めないのだが、公然とビールが出され、ごくごくと飲んでいる子もいた。ただ、飲むことを強制されるということはなかった。私はお酒は飲めなかったが雰囲気に酔った。
十時頃、一段落した頃に私は学寮の大浴場に入った。そしてまた、二次会、三次会と、日付が変わっても騒いでいた。すると午前一時過ぎ頃、私は泉美に声をかけられた。
「彩香、私といっしょにお風呂に入ろう」
「えっ、私、もう入りましたよ」
「つべこべ言わずについて来な。数学のお勉強よ」
「はい、わかりました」
数学のお勉強と聞いて、今度は何をされるのだろうと緊張と不安、そして期待と喜悦の予感に震えながら、私は二回目の風呂に入った。この時刻、もう他には誰もおらず、私と泉美の二人きりだった。
「彩香、そこに座って足を開け」
「こうですか?」
私は泉美に指示された洗い場の隅に座って足を開いた。
「よし、これからお前のマン毛を全部剃って、つるつるマンコにする」
「えっ?」
私は驚いたが、しかし何か言う間もなく、泉美は私の股間いっぱいにシェービングフォームの泡をつけた。そして右手にはすでに剃刀を握っている。
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなことされたら、もう恥ずかしくて他の子といっしょにお風呂に入れないですよ」
「合宿は今日が最終日だ。誰かといっしょにお風呂に入る機会などしばらくないだろう」
「それはそうですけど、あはん」
マンコを手の指で強く押さえられ、剃刀の冷たい刃を当てられただけで、私ははしたなくも性的に感じてしまった。
「危ないから動くな。じっとしていろ」
「はい」
剃刀で毛がジャリジャリと剃られていく。私はそれをじっと見つめていた。そしてシェービングフォームの泡を湯で流すと、そこには恥丘に縦筋が一本通っただけの幼女のようなつるつるマンコ。
「パイパンと言うんだ。衛生的にも清潔でいいらしいよ」
「でも恥ずかしいです」
「その恥ずかしさが嬉しいんだろ?」
「はい、まあ」
「今まではノーパンでみなさんにマン毛を見てもらっていたけど、これからはそのつるつるマンコを見てもらうのよ」
「はい、わかりました」
風呂から上がってショーツを穿くと、ショーツの中がなんだかすっきりして軽くなったようにも感じられた。
翌八月一日の朝、合宿は終わってみんなで上海に帰った。