投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「数学のお勉強」
【SM 官能小説】

「数学のお勉強」の最初へ 「数学のお勉強」 24 「数学のお勉強」 26 「数学のお勉強」の最後へ

第十一章-2

 クリスマスコンパではまずプレゼントの交換が行われた。各自が持ち寄った物を集め、誰からの贈り物かわからないようにして、それぞれ抽選でメンバーに配る。私の風景画集は五年生の尾沼の手に渡った。
 尾沼はそれをみんなの前で紹介し、そして、
「このようなすばらしいプレゼントをしてくれた子に、私は愛してるって言いたい」
 と結んだ。
 コンパが終わると、私と美鈴は中山公園の方へと散歩した。
「よかったね、彩香。尾沼さんに愛してるって言われて」
 美鈴が言い出した。
「えっ、どうしてあれが私のだとわかったの?」
「わかるよ、そりゃ。あんなの贈るの彩香くらいしかいないもん。すぐにわかったよ」
「へええ」
「おそらく尾沼さんもわかって言ったんだと思うよ」
「そうかな」
 やがて中山公園に着き、私たちはそのベンチに腰を下ろした。
 私の方から口を開いた。
「どうして泉美が桃園女学院をやめたか知ってる?」
「さあ」
「私がいるからだよ」
「まさか」
「ほんとだよ」
 私は泉美とこれまで行ってきた数学のお勉強のこと、そして十一月十五日の出来事を美鈴に話した。
「ええっ!」
 今度は美鈴の方が大げさに驚いた。信じられないといったふうであった。
「そんなの、二人とも変態じゃん」
「うん、でも人間誰しも多かれ少なかれ変態的な部分が」
「で、あんたは今もノーブラ・ノーパンなわけ?」
 美鈴は私の話を遮り、私から少し身を放して、まるで化け物か何かでも見るような目で私を見て尋ねた。
「ううん、今はブラもしてるし、パンツも穿いてるわ。だって誰かの命令じゃなく、自分の意思でやったってつまんないもん」
「やっぱ変態だ。めっちゃキモいよ。悪いけどもう私にはあまり近寄らないでくれる?」
「えっ?」
「私、帰るわ。バイバイ」
 そして美鈴は私から逃げるように地下鉄の中山公園駅へと入って行った。私は美鈴に話したことを後悔した。親友の美鈴だったら大丈夫だと思ったのだが。
 私はその場にがくんと膝を落とした。


「数学のお勉強」の最初へ 「数学のお勉強」 24 「数学のお勉強」 26 「数学のお勉強」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前