竹中大悟と言うチャラい男。-1
「おはようございます。」
US事務所にエリサが出勤してきた。
「おはようっス」
1番早く出勤していた大悟が入り口に視線を向けるとエリサに続いて喜多が入って来るのが見えた。
「あれ??一緒ッスか??」
「あ、ああ。」
あまり突っ込まれたくないように視線を逸らす喜多。様子がおかしい事をすぐに察知する。
「何か2人、怪しくないッスか??」
思った事はすぐに口から出てしまう大悟。エリサと喜多の顔を交互に見る。面倒臭そうに頭を掻く喜多に対してエリサはサバサバと答える。
「カズ、昨日うちに泊まったら。」
大悟は驚き目を丸くする。
「カズ…??喜多さんの事ッスか??泊まったって…ヤッちゃったんスか!?」
エリサはデスクの椅子にドスンと座りながら言った。
「ヤッたよ??」
その発言に慌てたのは喜多である。
「お、おい…」
「ヤッたもんはヤッたじゃん?そのまんま。」
大悟は目を丸くして一瞬動きを止めたまま言った。
「マジッスか〜!!いーなぁ喜多さん、エリサさんとヤッたんスか〜!?」
「い、いや…」
喜多は早足でデスクに向かい、座った。
「俺もヤリてぇっスよ、エリサさんと〜!」
「ヤラせてあげる??」
大悟は立ち上がり興奮しながら言った。
「ヤラせてくれるんスか!?」
エリサはニコッと笑う。
「あなたとヤルメリットを感じたらね。ただ働きはしにいの、私。」
「何スかそれ〜!?いーなぁカズさん、エリサさんとヤれて〜!」
あからさまにガッカリする。そんな様子の渦中にいる喜多は変な感じがする。
(何かコイツら、普通じゃないな…。それにアイツ、俺をカズさんとか呼んだよな…。何なんだよ!?)
これが今時の若者なのかと納得するしかないようだ。朝からヤル、ヤラないの話を事務所で平気でする空間で自分はやって行けるのかどうかが心配になる。
「てかあなた大丈夫なの?麻薬の現場に紛れて仕事できるの??」
大悟は親指を立ててウィンクする。
「余裕っスよ!」
何の安定感も感じられない大悟。
(チャラいってゆーか、軽いって言うか…。コイツ、大丈夫か??)
喜多でさえ不安になる、それが大悟であった。