母からの電話-1
第2話 母からの電話
ツキのない一日だった。
寮の自室に帰った弘美は、スカートを脱ぎ捨てベッドにあお向けになった。
自然に下腹部に手が伸びる。
(やっぱり膨らんでいる)
パンツに覆われた下腹部がこんもりと盛り上がっている。
その中にあるモノは明らかだった。
悩んでいると疲れてきた。
弘美はいつの間にか、うとうとと眠りに落ちていった。
スマホから鳴る音楽で目が覚めた。
誰かからの電話だ。
ディスプレイを見ると実家の母からだった。
「お母さんよ」
懐かしい声だ。
東京から田舎に来てわずか2、3か月だが、1年くらい母と会っていないように感じる。
「弘美はどう?元気にしているの?」
「うん、元気だよ」
「あらそう、それは一安心ね。行きたくない大学だって、不満たらたらだったから心配していたのよ」
「うん、まあね。でも、田舎は自然が多くて、面白いといえば面白いよ」
嘘だった。
嘘だったが、なぜか自然にそんなことを言っていた。
母が続けた。