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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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錆びぬ“カン”-8

 捜査本部が置かれている会議室に入ると若菜らの到着を待って会議が始まる。捜査本部長は御洗署のベテラン刑事の川上武則だ。中肉中背で穏やかな顔をしているが目つきだけは鋭い50歳の刑事だった。
 「では今から水島海岸殺人事件及び強姦事件の会議を始めたいと思います。まず事件を整理すると…」
一連の経緯をざっと読み上げる川上。内容は若菜が把握している事とほぼ相違なかった。続いて詳細に入る。
 「殺害された2人の男性は中野光太郎、内村和昭ともに26歳。指定暴力団の龍酷会の組員であります。強姦被害者は前野有紀20歳、藤村茜18歳、ともに城央市にあるクリファローズというソープランドに勤める風俗嬢である事が分かりました。なおこのクリファローズは龍酷会のシマの風俗店との事で共通するのは龍酷会が挙げられます。先程その龍酷会に上原警視正に出向いていただきましたので報告をお願いしたいと思います。」
 「かしこまりました。」
若菜がスッと立つと全ての捜査員が注目した。男性特有のむさ苦しい匂いが籠もる会議室にそぐわないモデルのような美しい女の威風堂々とした凛とした姿は全ての捜査員に生唾を飲ませる。 
 「県警本部特命捜査対策室室長、上原若菜です。」
そう自己紹介したが、誰もが知っていた。今まで話でしか聞いたことがなかった上原若菜がどんな人物なのか一目置いている視線を向ける。
 「先程龍酷会の事務所に行き組長である権藤豪氏に話を聞いてきました。被害者である中野光太郎と内村和昭は以前からの友達関係にあり一緒に門を叩いてきた新入りの組員との事でした。街では肩で風を切って歩く事も多いようでしたが、組の中ではまぁこういう言い方も何ですが…、真面目で礼儀正しい将来有望な若者だったようです。先輩に歯向かう事もなくみんなに可愛がられていたようですので内輪での犯行ではないでしょう。女2人は先程説明にあったように龍酷会のシマの風俗店に勤務していた風俗嬢だとの事でした。彼女らは複数の組員とも肉体関係があったそうです。2人とも多額の借金があり、関係を持った組合には良く金品をせがんで煙たがられていたそうです。相手にされなくなると新たなスポンサーを探す…、その繰り返しの末に中野光太郎と内村和昭に行き着いて、ここの所はだいぶ親密な関係であったそうです。組員は彼女らを疎ましく思っていて、関係が切れた事に胸を撫で下ろしていたそうですので、彼女らが中野と内村と親密な関係になっても妬む者はいなかった事でしょう。問題は組員を殺害された龍酷会が犯人を見つけ出し報復行為を働くのではないかと言う懸念ですが、組長と話をつけ犯人捜しは私どもに一任するとの言葉をいただきましたので、それは阻止しました。」
するとどこからともなく野次が飛んだ。
 「やくざなんて信用できっかよ!」
と。若菜はその野次を発した若い捜査員を睨みつけて言った。
 「私が阻止したって言ってんだから阻止したのよっ!!」
若菜に一喝された捜査員は小さくなり萎縮してしまった。他の捜査員達も冷ややかな視線でその若い捜査員をチラッと見てすぐに前を向いた。


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