オマケ -2
ミヤコは整った顎に拳を当てて、しばらく思案していたが、突然、何かに気付いたようにマミに顔を向けると、真剣な目をしてぐぐっと迫った。
「そうよ、ウルトラレディに変身する切っ掛けのポーズが弱いのよ。ウルトラレディに変身するのに、拳を突き挙げるだけじゃ絵にならないわよ」
ミヤコの勢いにマミはタジタジとなった。
「ど、どうすればいいですか?」
マミの問いにミヤコは満面の笑みを浮かべて答えた。
「オナニーしなさい」
「へっ?」
「『へっ?』じゃないでしょう。観客にインパクトを与えるにはオナニーするしかないでしょ。ウルトラレディの変身はオナニー切っ掛けに変更よ。これ決まり!」
キョトンとしたマミにミヤコは捲し立てた。
「だって、おばあちゃん、この…」
「ミヤコ監督よ!」
またしても言い間違えたマミに、ミヤコの叱責が飛んだ。芸術モードのミヤコには普段の優しい甘さは微塵にもなかった。
「す、すみません、監督。でもこの映画って子供も見れるように、爽やかなお色気路線じゃ…」
マミの言葉をミヤコが片手を挙げて制した。
「何言ってるのよ。芸術に年齢なんて関係ないでしょ。あたしのやることに口を挟まないで!」
マミの個人情報が世間に溢れ、ウルトラレディが【O−CLUB】の関係者だと世間が認知したのを切っ掛けに、【O−CLUB】の株価は一気に跳ね上がった。
気の良いミヤコたちは、それを還元する意味で、売上の100%を星獣被害に遭った者たちへの義援金にするチャリティー映画を作ることを決めた。これはミヤコたちが一環して決めている【自分たちだけが良しとせず】の精神からだった。
地球防衛連合と【MANCO】の全面協力を得て始まった撮影は、子供から大人まで楽しめるウルトラレディが活躍するアクション映画として、ピンク路線は控えることで折り合いが付いていた。しかし、久しぶりに芸術魂に火の点いたアーティストには、そんなことは一切関係なかった。
「ああん、恥ずかしいよう…」
ミヤコに押しきられる格好で、制服のパンツと下着を脱いだマミは、カメラに向かっておずおずと足を開いた。
オフィスの無機質なモニターカメラの前では平気で足を開くが、カメラマンとスタッフの熱気が伝わる撮影現場では抵抗があった。
「貴女やる気あるの!肝心のエッチな中身が全然見えてないじゃない。もっと手を使って割れ目を開きなさい!」
監督の容赦のない言葉が飛んだ。
「演技指導班!見せるオナニーがどんなものかこの子に教えて上げて!」
急遽演技指導として呼ばれたケイコが、カメラの前で本気のオナニーを始めた。
「ああんゾクゾクするう、みんな見て〜、エッチなケイコを全部見て〜、ああん、ああん」
熟練者の演技指導も終わり、撮影が再開された。
「よしイこう!シーン19、テイク2、マミのオナニー変身シーン、よーい、スタート!」
マミは剥き出しの割れ目に中指をクチュリと淹れると、そのまま愛液を掻き出すように淫口の中を出し入れし始めた。
「はあ…はあ…はあ…」
ピチャピチャと愛液の飛ぶ淫口から【光】が溢れ、マミの淫らな女体を包んだ。
変身が終わり、カットの声がかかったが、マミの表情は冴えなかった。何故ならウルトライヤーに「何か違うな…」と言ったミヤコのつぶやきが聞こえたからだ。
「これはダメね。オナニーの変身は中止!」
ミヤコの言葉にホッとしたマミだったが、次に続いた言葉で頭を抱えた。
「やはりセックスだわ。ウルトラレディの変身切っ掛けはセックスよ」