光の第2章【スーパーヒロイン、ウルトラレディ登場】 -3
純情なマミの反応を見てもわかるように、その宇宙人の姿は男性器の形をしていた。マミはその姿をチラチラと見ながら、この宇宙で尤も恐れていたことが、目の前で起こったことを悟り、その女体は恐怖で身震いした。
「どうして、ぺニス星人が地球に…」
マミが驚くのには訳があった。ぺニス星人は極悪星人の中ではS級ランクに分類されていた。しかし、その個体数は少なく、遭遇する可能性は極めて低い宇宙人だったのだ。
【そう、私はペニス星人だ。はじめまして、ウルトラレディ、またの名をユウキ・マミ】
マミは訳がわからなかった。宇宙から見れば辺境の恒星を親にする第三惑星地球。ぺニス星人が白羽の矢を立てるほどの惑星ではなかった。こんな辺境に来るはずの無いそのぺニス星人が、自分の名前を口にしたのだ。マミの脳裏は、恐怖と困惑で満たされた。
【私が送り込んだ星獣を倒す姿はカッコ良かったぞ】
ペニス星人の意外な言葉に、マミは驚いた。
「あなたが送り込んだですって」
【ああ、あれは全部私の仕組んだことだ】
「どういうことよ?どうしてペニス星人から見てちっぽけな地球に関心を示すのよ。あなたが寄生するにしては地球人は小さいのよ」
ペニス星人が地球の実情を知らないはずはない。マミは疑問をぶつけた。
【ウルトラレディに興味があったんでね。クククッ、期待通りで褒めてやるぞ】
「なんですって!」
ペニス星人の半分バカにしたような口調に、マミの怒りが徐々に積もっていった。
【初めての闘いの勝利の時は、ご褒美として、この地球に張り巡らされたネットに、お前の画像を流してやったぞ。そのお陰でファンが一杯付いたようだな】
マミは、この一言で戸惑いも恐怖もぶっ飛びぶちギレた。今までの悩みの種は目の前のペニス星人が作ったのだから無理はない。
「黙れ!寄生人が!」
マミは、嫌悪感を隠すことなく叫んだ。
実は、ペニス星人はマミが毛嫌いする宇宙人のトップ3に入る。
マミが、ぺニス星人を毛嫌いするのは、何も寄生することが原因ではない。ましてや、純情なマミらしく、その卑猥な容姿が苦手だという理由でもない。
広大な宇宙、他の生物に寄生しなければ生命を維持できない宇宙生物は幾多といる。しかし、それらの多くは、寄生相手に共存する道を選んでいる。宿主の体調を管理したり、危険を察知したり、時には宿主の身代わりになる者も居る。
マミが毛嫌いする理由は、過去、ペニス星人が寄生した宿主と共存していた時期もあったにも関わらず、それがいつしか種族として歪み始め、現在では宿主の肉体を享楽を目的で自由に操り、最後にはその肉体の生命力を吸い取ってしまうことだった。正義感の強いマミはそれが許せなかった。
【おいおい、寄生人を蔑視するその言い方は、ウルトラパワーを持つ者としてどうなんだ】
「くっ…」
一言も返せないマミは、自分のふがいなさに情けなくなった。実際、マミは油断していた。今回のような悪行と桁違いのパワーに、極悪の寄生人が関与する可能性を、先ず一番に考えなければならなかったのだ。
【何か言ったらどうだ。光の使者ウルトラレディ】
「黙れ!」
【クククッ、勇ましいな。それでこそ我が子の苗床として選んだ甲斐が有るというものよ】
「な、苗床ですって!」
マミはペニス星人の言葉に驚いた。