『Twins&Lovers』-46
「あくっ!!」
これまでの自慰では感じたことのない強烈な快楽。ふたみは、その入り口をやわやわと揉んでいたが、それでは足りなかったのか、中指を挿入する。
「んっ! んふっ!」
火花が、ふたみの脳内に散った。
右手で陰唇を、左手で不浄の孔を、自ら辱めるふたみ。めちゃくちゃに――――。
「はぁっ、ふあんっ、あはぁっ、はぁっ、はっ、はぁう………」
押し付けた枕は、こぼれる唾液でべとべとに濡れる。そして、下半身も。
ふたみの上下の唇は、溢れるエキスで氾濫している。
にち、にち、にち、にち………。
卑猥な音の出所は、ふたみの窄まりからだ。中指を根元までめり込ませて、中にある座薬を玩ぶ。
そして、おもむろに、その座薬を限界ぎりぎりまで押し込んだ!
「あっ、あくっ! ―――――――――――――――っっっっっっ!!!!」
びくんっ、びく、びくびく………。
必死に奥歯をかみ締めて、声の激しい漏出を抑えながら、ふたみは達した。吹き出た潮が、ショーツをしとどに濡らす。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
波がひくように静まる体。そして、同時に湧き上がる背徳の感情。
(いま……おしりで……イッちゃった……)
それが、とても、罪悪なことに思えたから。
「うわぁ、べとべとだよぉ」
体は汗で、股間は蜜で、枕は涎で……。ずいぶん、激しい自慰をしたものだ。熱がある身で。もっとも、座薬が功を奏したか、汗をかいたのがよかったのか、かなりスッキリしてはいるのだが。
体を拭こうと、部屋を出るふたみ。通りかかった居間から、勇太郎の寝息が聞えた。
(お兄ちゃん)
居間に入って、その寝顔を見つめる。あまりにも無防備なその寝顔に、鎮めたばかりなのに体が疼いた。
勇太郎に晒した自分の痴態が、今になって恥ずかしい。
(でも、お兄ちゃんは……お兄ちゃんだった)
あくまで優しく、自分のことを看病してくれた。
実は、ほんの少し、邪まなことも頭をよぎったのだ。あの時、勇太郎に迫られたりしたら、きっと体を開いてしまったに違いない。
しかし、勇太郎はあくまで、兄としての態度を崩そうとしなかった。それが、寂しくもあるが嬉しくも思う。やっぱり、勇太郎は自分の“お兄ちゃん”なのだ。親しい隣人で、ひとみの恋人である、大好きな“お兄ちゃん”。
(でも)
ふ、と勇太郎の頬に顔を寄せる。
(これくらいなら……ひとみちゃん、怒らないよね)
そして、唇をそっと押し当てた。
(今日は、いっぱい甘えたから………お礼だよ)
ふたみは、熱くなる頬を抱えて、洗い場へ向かい体を簡単に拭って着替えを済ませた。もう熱は下がっている。体がとてもスッキリしている。ぐっすり眠れそうだ。
ふたみは、タオルケットをしっかりと被って目を閉じた。すぐに、訪れたまどろみに身を任せ……。そして、眠りに落ちた。
唇に、後孔に、勇太郎の熱さを感じながら――――。