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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-47

「さあ、覚悟なさい!」
 そう言っていきり立つのはひとみだ。勇太郎は戦慄する。
「風邪には、これが一番なのよ!」
 そういって、手にした白いものは、座薬式の解熱剤。
「これをぷすっとやれば、一発よ!」
繰り返さなくても、勇太郎にはよくわかっている。処方したあとの結果を知っているからだ。
 あれからふたみの熱は下がり、ひとみと弥生も旅行の日程を全て消化し、満足した顔つきで帰ってきた。土産物を肴に、土産話に花を咲かせ、楽しいひと時を過ごした。それが、もう一週間前のこと。
 ふたみとの秘めごと(勇太郎は、そう思っている)の記憶も、忘我の彼方へ押しやられようとしていた。
 ところが、今度は、勇太郎が夏風邪をひいてしまったのだ。
看病に来たひとみが、
「いまさら、恥ずかしいも何もないでしょうに!」
そう、言って、勇太郎を押さえ込む。さすがは、護身術同好会。手馴れたものだ。
そのまま、ズボンとトランクスを引き剥がす。その余勢で、股間の振り子が時を刻む。
「さあ……」
 きらり、とひとみの目が怪しく輝く。その細い指にきらめく、白き結晶。
「観念なさい!」
「堪忍してえ!」
 こうして、僕は、ひとみの指に犯された――――。と、いうのは、彼の心理描写である。

“夏風邪に御用心”

安堂家の近くにある薬局の幟(のぼり)が、まだまだ暑い夏の風を受けてはためいていた。


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